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教員インタビュー03

Faculty interview 03

グローバル経営学科 教授 椿進(つばき すすむ)氏

担当科目/新興国ビジネス事例研究

新興国の上げ潮マーケットで戦える
ビジネスパーソンになろう。

優れた経営者には、「責任感と気概から来る強いオーラ」と「良く学ぶ」という共通項がある。

――まず、先生の実務キャリアを教えてください。

椿もともとは、大学で理系を選考していて将来ノーベル賞を目指そうと真剣に思っていたんです(笑)。なぜ、ビジネスの世界にはいったかというと、小学生高学年の時から新聞が大好きで、親に「失業者のようだ」とばかにされても隅々まで読んでいたことと、大学の時に、スキーにいって泊まった友達別荘に日経ビジネスに落ちていて、たしか、興銀の特集だったと思うけど、初めて読んでみたらすごく面白くて(笑)。その頃、大前学長がメディアにたくさん登場していたこともあって、「こんな世界もあるんだ!」と感じたのがコンサルタントという職業に就くきっかけになりました。当時、新卒の募集を始めていたボストンコンサルティング(以下BCG)の説明会に行ってそのまま入社することになりました。当時のBCGは30〜40人の小さな会社で、戦略コンサルの成長期でしたからいろいろな業界・事業のお手伝いをしました。40歳になる前に経営者になろうと思っていたので、16年勤めた後、2006年にクライアントだったインデックスHDの創業者に請われて代表取締役になりました。そして、2008年からはアジアでの投資育成事業とコンサルティングを柱とするパンアジアパートナーズを創業しました。

――コンサルタント時代で印象に残っている事例、成功体験を教えてください。

椿90年代に入ってバブル経済が崩壊した後の、グローバリゼーションや海外戦略をどうするかというプロジェクトが印象に残っています。あとは、いろいろな経営者に出会ったこと。リクルートの江副さんをはじめ、NTTの歴代社長、本田宗一郎さん、中内功さん等もギリギリお会いしているんです。当時は、戦略コンサル自体が勃興期だったので、あらゆる業種で、あらゆるチャレンジングがあって面白かったです。だから、どれだけ働くかというのが問題でしたね。セブン−イレブンどころじゃなく、朝8時から深夜4時までエイト−フォーで働いていました。今はそんなことできないでしょうが、それだけ全身全霊を注ぎ込んで、やっとお客さんに価値を付けられるという状況でした。どんな業界、どんなビジネスでも、物事には本質というものがある。その本質を見つけていくのがとても面白い。ダメな会社にはダメな現象が出てきます。営業が弱い、開発がダメ、社長がダメ(笑)などダメな理由は色々ですが、じゃあ社長を替えましょうというのではコンサルとして答えにならない。そうではなく、もうひとつ深いところにある本質をどのように見つけていくかが面白い。夜中に突然「分かっちゃった!」ということもありました。そのためには、あらゆるデータ分析をしなければいけないし、会社の上から下まで話しを聞かなければいけないし、取引先にも行かなければいけません。あらゆる角度から探るからこそ成功につなげられるのです。

――コンサルタントから社長になると、考え方は180度変わるのですか?

椿全然変わらなくて、別の視点が増えますね。ただ、大きな違いになるのは、経営者は「時間」を使えることですね。短期間で価値を付けるコンサルとは違い、人を雇い育てて、顧客と事業をつくっていくから、数年単位で考えることができます。時間という意味では、経営者は「時を見る」ことも本当に大事。インデックスHDにいた頃はmixiとモバゲーが伸びていて、なぜ同じようなことができないのかと指摘されることがありましたが、ほぼ同じタイミングとコンセプトで事業を展開していても、どうしても勝ち負けは発生します。どこで頑張るのか、どういう出会いがあるのか、「天の時・人の和・地の利」は大切だと痛感しましたね。

――ご自身の経験から、すばらしい経営者に共通する資質はどのようなことだとお考えですか?

椿ぱっと見てオーラがありますね。オーラの正体は、責任感や気概といったものでしょうね。「この会社を自分が何とかしなければいけない」という真剣さが、強いオーラになっている。そして、できる経営者ほど勉強しています。我々のセミナーにも来られるし、真剣に話を聴いてくれる。勉強しなくなったり、驕ったり、真摯な姿勢がダメになると会社も崩れていくようです。

第一歩を踏み出したくなる授業を展開します。

――アジアや新興国での投資育成事業を始めようと思われた理由は?

椿人口が減る一方の日本で新しい成長をつくるには、これから伸びる新興国といっしょに成長するしかないと思ったからです。日本企業もしくは個人として新興国に出て行き、向こうでいっしょに成長する新しいモデルをつくりたいのです。
BCGはグローバルな会社なので、いろいろな国のビジネスを経験させてもらいましたが、世界中どこでもビジネスというものは思いのほか一緒ですよ。ビジネスの仕方や中身は何も変わらないと言ってもいい。ユーザーのビヘイビアや規制など若干の違いはありますが、いい仕事に就きたい、お金持ちになりたい、いい相手を見つけて結婚したいなど個々人のマインドは同じですよ。

――バカな質問かもしれませんが、新興国にはやはりビジネスチャンスは多いのですか?

椿意外なところにチャンスは転がっています。いま話しをしている私の写真をカメラマンさんが撮ってくれていますが、実は、少し前の中国には、日本のカメラマンにとって大チャンスがあったんですよ。日本の出版社が向こうで雑誌事業を立ち上げたのですが、ファッション分野などで商業レベルの写真が撮れるカメラマンが全然いなかった。もし、その頃にオフィスを構えていたら...ねぇ(笑)。結局、日本から連れて行くのではコストが合わないから、現地で技術を教えたけど、次々に独立してしまったらしいです。これからは、インドやアフリカに目を向けると、企業にも個人にもそういうチャンスが転がっているでしょうね。そういった啓蒙をすることが、今の会社の役目でもあるのです。

――では、実業を踏まえてどのような授業を展開されているのですか?

椿新興国で戦えるビジネスパーソンになりましょうということですね。企業の中にいてもいいし、自分で創業してもいいですが、これから伸びる新興国で戦える人にどうやってなりますか?ということを...、教えると言うのはおこがましいので、気付きになるような授業をしたいですね。そのために、10数名のリアルサンプルを持ってきて、実際に海外へ飛び出している人達を参考にした授業を展開していきます。すぐにでも、第一歩を踏み出せようになってほしいと思います。

――最近の傾向として、海外に興味をもつ若い世代は増えていますか?

椿増えつつも二極化が進んでいるようですね。いまの日本の現状を知って、海外で戦わなければと思っているのは1割程度。皆と一緒であれば、国内に留まってしがみつこうというのが6割。残りはあまり考えてない層と見ています。でも、それはしょうがないことで、全員が海外志向になることはありえません。ですが、いまBBT大学にいる人、BBT大学に興味を持つような人は、早く行動に移してほしい。そうでないと仕事を取られちゃいますからね。紹介するリアルサンプルを役立ててほしいと思います。

5年後、10年後の自分のバリューを考えて!

――最後に入学希望者に向けたメッセージをお願いいたします。

椿新興国で戦えるビジネスパーソンになる第一歩は、現実を直視することです。考えてほしいのは、5~10年後に今の仕事を続けている場合と、新興国に渡って新しい経験をした場合と、どちらがあなたの価値を高めることになりますか?ということです。インドでもアフリカでも現地でビジネス経験をしたら、それは素晴らしいバリューになるはずです。もし、いまアフリカで5年間ビジネスをやっていましたと言えたら、ものすごいバリューです。そんな日本人はほとんどいないんですから。5年後、10年後には多くの日本企業がアフリカに進出するでしょうから、その時に5年の実務経験を持っている人は諸手を挙げて雇いたいのです。市場が縮小する日本では売上が下がるのは当然です。上げ潮マーケットでビジネスをやる方法を一緒に考えてみませんか?

椿 進
主要担当科目
新興国ビジネス事例研究
経歴
株式会社パンアジアパートナーズ 代表取締役パートナー
詳細
株式会社パンアジアパートナーズ代表取締役 代表パートナー ボストンコンサルティンググループ(BCG)、パートナー・マネージングダイレクターとして、ハイテク、情報通信、インターネット、メディア・コンテンツ分野において、事業戦略、M&A戦略、新事業立ち上げ、グローバリゼーション等の プロジェクトを実施。95年-96年にはサンフランシスコオフィス勤務。大手通信会社、大手携帯電話会社、大手電機メーカー、大手ハイテク部材企業、大手ゲーム会社、大手テレビ局、IT・ネット企業、 消費財企業などのコンサルティングを15年にわたって経験。 2006年より(株)インデックスホールディングスの代表取締役に就任。(株)タカラトミー、(株)竜の子プロダクション、(株)アトラス、(株)ネットインデックス等 などの社外取締役を歴任。執筆、講演多数。 東京大学教養学部基礎科学第一学科卒
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