スティーブ・ソレイシィ教授からのメッセージ

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ビジネスシーンに必要な英語は「通じる力」

 ビジネスシーンに求められる英語能力は何ですか?と聞かれることがよくあります。携帯電話を例に考えてみましょう。携帯電話に求められる機能には、メールやカメラ機能など様々あると思いますが、携帯電話に最も重要なことは「確実に入る電波」ですよね。確実な電波が入らない携帯電話には何の意味もありません。とても基礎的なことですよね。同様に、ビジネスシーンで最も重要な英語能力は、自分が伝えたいことが相手に確実に伝わるということ。「確実に通じる力」、これは基礎的なことであり、英語にまだ自信がない人でも、これがすべてと言っても過言ではありません。
 英単語を沢山学ばなければと、ビジネス用語などいろいろな分野の英単語を勉強する方も多いですが、「インプットの罠」があることも知っておくことが重要です。その罠に入ってしまうと、永遠にインプットばかりをしてアウトプット力がつきません。英会話をしていても言葉が出てこないから、もっと新しい語彙を身に付けようとしていませんか? 豊富な単語が基礎力になると勘違いしていませんか? 会話でもメールでもビジネスシーンで英語を使う時に必要なのは、相手に通じるコミュニケーション能力なのです。

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通じる英語の秘訣は「文章の連続性」、それを鍛えるのが「SPM™メソッド」

 母国語でも外国語であっても「その言葉が使える」というのは、複数の文を連続して話し続けることができるという意味です。私が「日本語を話せる」と皆さんに思われているのは、続けて話しているからです。難しい単語やことわざを入れている訳ではありません。見栄を張るような特別な語彙を使うから外国語が上手い訳ではなく、連続して文章にできることが重要なのです。そして、言いたいことが通じるのも文が連続しているからです。つまり、言いたいことの前に前振りをすることや、言った後にきちんと補足説明をすることです。通じる力は一文ではなく、連続した文章の中で生まれます。
 日本の英語教育は、1つの文章のパーツをうまく組み立てられるかどうかにポイントを置いて学習する傾向があります。英語でビジネスメールを書く時も、1文ごとの形や1語ごとの形にこだわって時間を掛けているようです。しかし、1文がどんなによく出来ても、確実に伝わる力、通じあうコミュニケーションが生まれるのは文の連続性です。まだスピーキングに自信のない方でも、うまく基礎的な複数文を組み立てていく力さえつけば、すぐにでもスピーキング能力は発揮できます。
 文章を連続させる方法として、私が開発したのがSPM™メソッドです。Sentences Per Minuteの略で、文字通り、1分間で何文連続できるかを測ります。コミュニケーションを取る上でも、出来るようになる為でも、時間内に何文程度作って話しているかは、とても効果的な指標となります。しかし、外国語を学ぶ上で、それを測ったことがない、目標を設けて頑張ったことがない人がほとんどだと思います。SPM™は世界でネイティブ・ノンネイティブの人が英語を話す能力を、客観的に判断する為だけではなく、自分でスピーキングを上達させるための方法でもあります。
 しかし、文章の連続が必要だからといって、過剰に多い文を話せばよいという訳ではありません。世界で英語が出来る人達のノーマルスピード、いわゆるSPM™に照らせば、1分間に10〜20 文の間、が一般的な目安となります。ですから、20文以上は「早口な人」という印象になってしまいます。
一方で、英語のスピーキングに慣れていない日本の皆さんは、SPM10以下であることが多く、まだまだスムーズな会話になっていません。つまり、出てくる英語の間違いが問題なのではなく、英語が出てこないことが最も克服すべき問題です。
 SPMトレーニングを続けることによって、1分間や30秒間で自分がどれだけ話せているかを客観的に理解し、世界基準のSPM15(*1)という英語スピーキングの基本能力を身につけることが出来ます。

(*1)SPM15=1分間に15文話せること。

BCS100講座で伝えたいのは、英語の運用能力!

 ある英語能力を測るペーパーテストで高得点を取ったとしても、それが本当のコミュニケーション力を測っているとは言えません。おまけに、そのペーパーテストのひっかけ問題やわざと小難しくしてあるイディアムの問題を間違ってしまう人は、英語コンプレックスをさらに持ってしまう可能性もあるのです。非常に残念なことですね。なぜなら、この単語もあの単語も知らない、文章のパーツを理解してないところがある、と実感させられてしまうからです。又、猛勉強や様々な手の込んだ試験対策を通じて高得点を取った人たちは日本、そして他の国々にも沢山います。そして「読んでなんとなく理解ができるが使えない」という中途半端な英語力をどうしたらいいのかという問題がありますが、このBCS100講座には、英語を確実に使えるようになる為の仕組みが沢山あります。
 まずSPM™メソッドを通じ、今までとは異なる英語学習の基準を習得します。実際に相手に通じる能力を育て、そしてネイティブのインストラクターとのスピーキングレッスンで「伝える経験」を得て、自信をつけていきます。
 詳しく、どのように相手に通じる能力を育てるかと言うと、まずスピーキングもライティングも大切ですので、この講座では両方にチャレンジしてもらいます。
 スピーキングの大きな問題の1つは、連続文章を作って発することができないことですので、伝えたいことをより正確に伝える為に、口頭で連続文章をつくるトレーニングを行います。すると、補足説明の能力などを身につけることができます。
 一方、ライティングにおいて、多くのビジネスパーソンの抱える問題は、言いたいことを直訳してしまうことです。世界の人たちとコミュニケーションを取る上で「うまく訳せたかどうか」ではなく「英語で言いたいことがちゃんと通じるかどうか」ということが重要ですので、その力を養います。

 BCS100講座は実践的なトレーニングを通じ、相手に伝わる為の説明能力を身につけることに特化しています。相手に分かりやすく伝える為に何か必要か、それを身につける為のトレーニングしていきましょう。

暗記して話すのではなく、スポンテイニアスアウトプット(*1)を鍛える

 BCS100講座では、まず私の講義の動画を視聴しますが、ただ映像を見るだけではありません。必ず英語で話してみるパートがあります。もし、あまり上手く話せなくても「これしか言えなかった」とネガティブに捉える必要はありません。大切なのは「シンプルな内容でも自分で英語を使ってみる」こと。
 この講座は、典型的なフレーズや文章を暗記して使ってみるという講座ではありません。自分が話せることを少しずつ広げていくことを目指しています。このことこそが、真の表現力になるのです。
 教えられた言葉や決まったフレーズを口にすることを、コントロールアウトプットと呼びます。この「定番のフレーズを暗記して話してみる」コントロールアウトプットでは、なかなか英語が身に付かない、という経験を皆さんお持ちかと思います。
 この講座ではコントロールアウトプットではなく、自発的に発するスポンテイニアスアウトプットを鍛えます。どのように言うか、どのような言葉を選ぶか、自分で考えて使っていくことにより、実際のコミュニケーションで使える英語力を育ていきます。
 講義に参加した後、ネイティブのインストラクターとのスピーキングレッスンやライティングレッスンを行います。自分で英語を使ってみる機会が多数あるので、アウトプット能力を育てていきます。
 そこで、伝えたいことをどのように言うか、どのような言葉を選ぶか考え、実際にどんどん試してみましょう。

(*1) スポンテイニアスアウトプット=自分の言葉による自発的な発話。

受講前の英語レベルは関係なし。学校基準とは異なる英語力を身に付ける

 ご自分の「英語レベル」を考える上で、ボキャブラリーや長文読解能力などのことを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、それは英単語の難易度が難しければ難しいほど「英語レベル」が上がっていくという古い仕組みです。実際のコミュニケーションの場で殆ど使われないような難しい表現をどれくらい知っているかどうかということで、ご自分の英語のレベルを測定しないでください。世界の人と英語でスムーズにコミュニケーションを取る為には、シンプルな言葉で自ら文章を作り、わかりやすく表現できることが最も重要な能力です。
 これまで勉強された英語が無駄だったとは言いません。他の言語より基礎的な英単語などは、コミュニケーションに使えるものも沢山あるはずです。しかし、学校での受験英語やTOEICなどのペーパーテストの受験、一文のパーツにフォーカスをする英語教育を経験した人に共通する大きな問題があります。実際のコミュニケーションの場面で、簡単なことを伝えるだけなのに、言葉に詰まって殆ど何も出てこないということです。つまり、出てくる英語が正しいか正しくないかではなく「そもそもスムーズに英語が出てこない」ということが問題なのです。
 例えばお腹が空いて食事を取りにレストランに行ったと仮定します。シェフが「完璧な料理を作ろう」と意識するがあまりに、様々な調味料や手が込んだ調理法に悩んでしまい、そもそも料理があなたの前に全く出てこなかったら、きっと困ってしまいますよね。英会話も同じで、文法の細かいところが気になって、スムーズに文章が出てこず、何も話せなくなってしまうということが大きな問題なのです。
 BCS100は今までの学校教育の英語学習と違い、連続するスムーズな文章で、相手に言いたいことが確実に伝わるかどうかという基準で学びます。
 単語や文法を暗記よりも、実際に使える言葉や書ける文章の数をどれだけ増やすことが重要です。そして、英語は使えば使うほど使えるようになります。スポンテイニアスアウトプットが多ければ多いほど英語コミュニケーションもできるようになるのです。
BCS100講座で、英語を自分のものにしていきましょう!

スティーブ・ソレイシィ教授紹介

日本屈指の英会話書籍ベストセラー著者

スティーブ・ソレイシィ教授(Steve Soresi)
ビジネス・ブレークスルー大学教授

国際コミュニケーション博士
ソレイシィ研究所(株)代表取締役社長

学歴

アメリカン大学(米国ワシントンDC)国際関係学部・政治学部卒業:学士
早稲田大学(大学院)政治学研究科修了:修士(政治学)
青山学院大学(大学院)国際政治経済学研究科修了:博士(国際コミュニケーション)

長年の言語研究と英語の指導経験から導き出された独自の「英語スピーキング力育成」メソッドに基づき、企業や大学、
一般個人向けに、真に実践的な英語力の習得を目的とした著作・講義・研修等の活動を行っている。2005年、フロリダ州TESOL
(英語教育学会)で、その年の最も優れた論文に与えられる「ペーパー・オブ・ジ・イヤー」を受賞。2009年、話率に関する一考察』
研究論文『国際言語としての英語教授法と評価法における目標発にて博士号を取得。2013年8月1日現在、ソレイシィ研究所代表、
ビジネス・ブレークスルー大学教授、NHKラジオ第二放送『英会話タイムトライアル』講師。米国フロリダ州出身。

著作

  • 『すぐに使える20の英会話表現』(アルク)
  • 『英会話きちんとフレーズ100』(アルク)
  • 『英会話1000本ノックビジネス編』(コスモピア)
  • 『トッピング英会話』(DHC)
  • 『英会話ペラペラビジネス100』(アルク)
  • 『英会話1000本ノック入門編』(コスモピア)
  • 『英会話1000本ノック』(コスモピア)
  • 『英会話ペラペラ練習帳』(アルク)
  • 『英会話なるほど練習帳』(アルク)
  • 『英会話なるほどフレーズ100』(アルク)
  • 『新装版 英会話8秒エクササイズ』(アルク)
  • 『英語発音エクササイズ』(アルク)
  • 『英会話ピッタリ表現でぃくしょなりぃ』(語研)
  • 『国際人の英会話学習法』(角川書店)
  • 『英会話ペラペラトレーニング』(アルク)
  • 『NHKサイバーテキスト(シーズン1)Vol.1-2』(NHK出版)
  • 『NHKサイバーテキスト(シーズン2)Vol.1-2』(NHK出版)
  • 『はじめよう英会話 スティーブ・ソレイシィの新スタンダード40』
    (NHK出版)
  • 『はじめよう英会話 スタンダード40』(NHK出版)

ソレイシィ教授の書籍はAmazon人気英会話本に多数ランクイン!(2013/10/21現在)

  • 【1位】 英会話なるほどフレーズ100
  • 【3位】 英会話ペラペラビジネス100
  • 【9位】 英会話タイムトライアル
  • 【11位】 英会話なるほど練習帳
  • 【15位】 英会話1000本ノック[入門編]
  • 【16位】 英会話きちんとフレーズ100

 研究論文(英文タイトルの日本語訳)

  • 『SPM:流暢さを身に付ける最新メソッド』(2004年、米国シカゴ)
  • 『SPMメソッドで鍛える流暢さ』(2005年、英国ロンドン)
  • 『新しい世界の見方:多文化的英語の発展』(2005年、米国ワシントンDC)
  • 『国際言語としての英語の教授法への新たな試み』(2006年、オンライン)
  • 『SPM準拠発話テスト:学習文脈に沿った評価システム開発』(共著/2007年、日本)
  • 『「シャイ」な日本の学習者のための授業設計』(2008年、米国アーリントン)
  • 『授業中のスピーキングテストによる会話力育成』(2009年、米国アーリントン)
  • 『適切な作文と自律学習の目標地点としてのメディア参加』(2010年、米国アーリントン)

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