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企業を上場させること
~現場と一体になって築き上げたブランド~

青野 仲達
上場企業経営経験者

ブルーフィールド株式会社 代表取締役社長 アメリカン・エキスプレスを経て、ハーバード大学経営大学院にてMBAを取得。 イングリッシュタウンの創設、マイクロソフトの新規事業立ち上げに携わり、2004年に株式会社GABA(Gabaマンツーマン英会話)を設立。 代表取締役社長として、2006年に東証マザーズ上場。 【著書】 『グローバル時代を生き抜くための ハーバード式英語習得法』(秀和システム)、『プロフェッショナル イングリッシュ』(共著、東洋経済新報社)、『ハーバード式 5行エッセイ英語学習帳』(コスモピア)他

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「5年以内に上場」が使命

ボストンのビジネススクールを卒業後、何をするかは決まっていませんでしたが、アメリカで仕事をしたいという思いがありました。 そんな中、インターネットを使って英語を教えるベンチャー企業を立ち上げようとしている人たちと知り合う機会があり、意気投合して創業メンバーとして参画することになりました。 数年後、ベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達して日本支社を立ち上げ、事業を軌道に乗せた頃、株式会社GABA(Gabaマンツーマン英会話)の創業者と出会います。 始めは「一緒に何かやらないか」と持ちかけられましたが、結局その方が会社を退くことになり、VCからの支援を得て会社を買い、経営を引き継ぐことになりました。 創業者が抜けるということは株主が変わるということで、新しい株主が誰に経営をして欲しいかということになります。 そのVCのトップの方から「あなたにやって欲しい」と経営を任されました。5年以内に上場というのが彼らの要望でした。 ベンチャーの上場には大きなお金が動きます。上場に反対の関係者もいました。会社の顧問弁護士もその一人でした。 「この会社は上場できない。やってはいけない」と。それでも結局、彼は経営者が私に代わってからもずっと顧問弁護士でいてくれました。

上場を目指す上で支えになったのは、グローバルな環境で働くことの「居心地のよさ」です。 通常の英会話学校では、ネイティブの先生は使われる側で、先生と会社との関係が冷めきっていることがよくあります。 GABAはネイティブの先生が管理職や役員を含む社員に登用されることも多い会社でした。 こういう場所なら「いいものが作れる」という予感が上場の原動力になりました。

ブランドをつくるということ


長く働いたアメリカ人の社員がGABAを退職して帰国する際、彼から「誇りに思える職場をつくってくれてありがとう」と言われました。よくわからない東洋の国に来て、パートタイムで英語を教えるだけでなく、社員になり、管理職になる。そして最後には「働けたことを誇りに思う」と言われるような職場をつくることができたのは嬉しかったですね。

上場するためには数々の達成すべきゴールがあります。経営を任されてから、スクール数は増え、売り上げも伸びましたが、その裏側では「自分たちのフィロソフィを現場の社員と議論を重ねながらつくる」という作業を続けていました。振り返って考えると、社員一人ひとりが力を合わせて「ブランドづくり」に取り組んでいたのだと思います。

具体的には、会社の「経営理念(Missions/Vision/Values)」を英語と日本語の両方で作成しました。例えば「桃李成蹊」という中国の言葉があります。桃(モモ)や李(スモモ)は言葉を話さないが、木の下には自然に道ができる。なぜなら、その実がおいしいことをみんなが知っているからです。ああしろ、こうしろと言わなくても、みんなが集まってくる。それはリーダーシップの1つの理想です。でも、英語で「Leadership」というとトップダウンのようなイメージにならないか。ネイティブの先生たちとも、自分たちが大切にしたいリーダーシップについて話し合いました。このように議論しながら、会社の経営理念をまとめた小冊子を1年近くかけてつくりました。自分たちの会社だと社員や先生の一人ひとりが思えたからこそ、やりがいが生まれてオーナーシップが発揮され、それが業績に反映されていったのではないでしょうか。

会社の価値や文化を自分たちでつくっているという実感は先生たちの日々の行動や態度に現れますし、それは生徒さんにも伝わるものです。ブランドとは「心地よさ」だと私は思っています。例えば、スターバックスに行ったら他のどこにもないおいしいコーヒーを飲めるのかというと、それはわからない。ただ、(スタバが好きな人にとっては)全体として何らかの心地よさを醸し出していると思うのです。GABAであれば、英会話という体験を「心地よい環境で楽しむことができる」という感覚です。

上場の時期は、事業規模が大きくなっていくのと同時に顧客満足度が大きく向上した時期でもありました。その要因は、社員がやりがいをもって働いていたことにあると思います。社員一人ひとりがオーナーシップを発揮することによって確立されたブランド、すなわち「心地よさ」が顧客満足度向上の根底にあり、それが上場という1つの成果に繋がったのではないでしょうか。

心地よい環境づくりは、組織も個人も同じ

心地よさというのは個人のフィロソフィを形成する際にもベースになるものだと思います。ボストンのビジネススクールでは、自分には「何が向いているか」をひたすら考える授業がありました。そこでは、過去に「何をしていたときが一番幸せだったか」を思い出す作業を経て、将来の自分にとって大切なテーマを考えます。

私の場合は、①小さなグループで動く、②自分の考えを伝える、③世の中の幅広い層の人にアピールする、④言語に関することに携わる、⑤グローバルな環境に身を置く、といったテーマが浮き彫りになりました。そういう状況であれば存分に力を発揮できるし、逆にそうでなければ仕事を楽しむことができません。楽しそうな場所、面白そうな人と出会える可能性がある場所は自分で選ぶことができます。そこに行けば「自分は変われるかもしれない」という感覚は大切なインスピレーションです。いろいろな出会いがあり、それらの出会いがキャリア形成において重要な役割を演じます。期待する「出会いが生まれるような環境に身を置く」ということは、有効なキャリア構築のアプローチだと思います。

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