稼ぐ人の武器「プロフェッショナルシンキング」(後篇)※動画あり
イベントレポート
稼ぐ人の武器「プロフェッショナルシンキング」(後編)
2015年8月6日開催の公開フォーラム『稼ぐ人の武器「
プロフェッショナルシンキング」』のイベントレポート・
後篇となります。前篇は
こちら
からご覧ください。
パネルセッション:稼ぐ人の武器とは?
パネルセッションでは、各質問に対してフリップに答えを書いて頂き、お話いただきました。
―――稼ぐために最も重要だと思われることは?
藤原氏:「情報編集力」
「正解のある時代」は情報処理力があれば稼げた。だから日本の教育は
70
年間情報処理力偏重だった。しかし、
1980
年代から日本は成熟社会に入り、正解の無い問題が増えてきたため、情報処理力ではなく情報編集力の方が重要になってきている。編集力とは「納得解を導き出す力」であり、自分も関わる他人も納得させる力を意味する。
「希少性」を高めるための「情報編集力」だが、ここでは具体的に「時間を編集する」という事を例にあげて考えてみよう。通勤で
1時間も
2時間もかける人は、会社の近くに住むべきである。
10年も続けたら通勤時間は途方も無く多くなる。満員電車だったりすれば本を読むことすらできず、時間を無駄にしてしまう。どうやって時間を作るかということが非常に大切。年収が
700万、
800万を超えてきたら積極的に「時間を買う」ということをした方が良い。
時間を買うとは、例えば仕事の時給が
3000円なら、自分でやったら
3時間かかる掃除、メイドに
9000円でお願いするというような事だ。その分を自分のスキルアップに当てれば良い。
宇田氏:「①前例を否定する、②問題を発見したら(上司でも)伝え、反論する義務を負う、③クライアントにいくらチャージできるか常に考えて働く」
「前例を否定する」は、前述の通り上司の言う事をまず否定して考えるという事だ。「多少喧嘩しても良いので、つまらないオッサンの言う事を聞いて人生を無駄にするな」
「問題を発見したら(上司でも)伝え、反論する義務を負う」は、稼ぐ為には前例を疑った結果、問題に気づいたらきちんと言いたい事を言わなければならないということである。「相手も答えが分からないのだから、文句を言うのは相手の為に親切にやっていると思えば、割と簡単にできる。」
「クライアントにいくらチャージできるか常に考えて働く」は、藤原氏が言う「自分の時給がいくらか」の裏にあるものだ。シニア・コンサルタントで自分が時給換算で
80,000円もらうなら、クライアントに対して
1時間当たり
300,000円チャージできるかというのが勝負になる。固定費以外にもリサーチやコンピュータなどへの投資を差し引いても時給
80,000円を取れる仕組みを作り、クライアントに
300,000円円チャージする事が出来るかという勝負。時給の
3倍はクライアントにチャージするという前提を忘れないでほしい。
中西氏:「変子であれ」
ビジネスにおいては、いかに差別化していくかが大切になる。自分自身が経営者であれば、自分自身が違ったことをしないとそこには「希少価値」が生まれない。「変子」は大阪の方言で「変わった子」という意味。そこを追求すべきだと考えている。
佐々木氏:「人に会える」
1つは自分が会いに行けるということ。営業で何件アポが取れるか、というレベルから、大きなパーティーに参加できる、人に会うことを苦痛に感じないということ。そして、もっと大事なもう
1つの意味は、お客様や自分のつながりのある人から「会いたい」と思ってもらえること、もう一度仕事を頼みたいと思ってもらえること。稼ぐというのは結局人がいないとできないこと。お金を出してくれる人が自分に会いたいと思ってくれたり、信頼してくれたりすることが一番大事なことだと思う。
―――「稼ぐ人」って例えば誰ですか?
藤原氏:「仕事を買いに行く人」
「編集力を使って希少性を高める為の応用として、〈自分を安売りして仕事を買いに行く〉事が、自分のクレジットを大きく高める為のコツなのです。」
スカウト会社などを使って自分を高く売ろうとすると、苦しくなって逆に稼げない。寧ろ自分を安売りし、自分が身に付けたい技術を身に付けるために働くという考え方だ。新しい技術を身に付けてクレジットの三角形を作っていけば、自ずと稼ぎが付いて来る。
「私が47歳の時にやったのがまさにそれで、年収からすると
3分の1くらいになりました。最初は公立中学校の経営が出来るか分からなかったので、逆に言えば給料を貰って試せるのはラッキーという感じでしたね。そうやって自分を安売りして、仕事を買いに行くことでクレジットが高まった。これが1つのコツなのですよ。ノウハウを得たかったら自分を安く売るべきです。」
―――稼ぐ力はどうすれば身につきますか?
藤原氏:「希少性(レアカード)」
「希少性」という感覚をものすごく高めないといけない。東京駅
100周年の記念スイカがいい例だ。
15,000枚限定発売で、買えない人が続出したことで話題となった。当時は
1枚数万の値がついたと言われている。結果、
500万枚売れ、
100億円以上の売り上げとなっている。
500万枚になってしまったら、ユーザー側にはそれほど価値はない。「希少性」を失ったということだ。「希少性」に敏感になり、これだ、と思ったらとにかく
10,000時間続ける。これが、「稼ぐ力」を身に付ける鍵だと思う。
宇田氏:「エスカレーターを逆走する」(あくまで比喩表現であり、実際には絶対やってはいけない)
「エスカレーターはそもそも逆走するものであるとみなして、逆走すると考えて下さい。相当の勢いで登り続けないといけないのでしんどいと思います。でも、逆走に慣れて普通に乗ってみたら、エスカレーターはこんなにも楽なものかと感じるかと思います。」
この比喩を人生に置き換えると、常に難しい課題に意欲的に挑戦するということになる。これを続けていくと、新しい世界が開けてくる。チャレンジをしてみる機会があるということ自体が、実はとてもありがたいことなのだ。多様性のある人たちが集まって問題を解決するような機会は非常に良い練習になる。難しいプロジェクト、人がやりたがらない仕事に積極的に向き合ってもらいたい。
中西氏:「バカになる」
「とにかく行動しようとする時に考え過ぎてしまうのは良くない。〈死ぬ事以外はリスクが無い〉という言葉が好きなんですが、無駄に考えないで兎に角やってみるのが大事だと思います。」「これをやったら怒られる」などの気持ちを取り払うためにも、「バカになる」ことが大事。楽観的になる事が稼ぐ為の第一歩だと考えている。
佐々木氏:「他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」
常にこう考えながら仕事をしていて、それが言い訳しないという事に繋がり、そして全力でやり切るというのが自分の仕事のやり方だ。他人に文句を言っても意味が無く、自分の人生をより良いものにするには自分を変えるしかなく、それは稼ぐ力を身に付けるという観点でも同じだと思う