銀行員が選んだのは経営者の考え方に近づける大学
新卒で地方銀行に入行し、主に個人や法人の与信審査や管理を担当する。現在は、地域活性化を支援する経済振興センターに出向し、中小企業を対象とした景況調査、地場産業に携わる企業へのヒアリング調査などを行う。BBT大学を卒業後、BBT大学大学院で学習に励む。
大学卒業後、地方銀行に入行した玉井圭祐さん。日々、中小企業の経営者と接する立場であることから、経営を基礎から学ぶためにBBT大学に入学した。BBT大学での学びを、銀行という場所でどのように活かしているのか玉井さんに話を聞いた。
「経営者目線で融資の提案ができる銀行員」というビジョン
大学は地元の公立大学に進学し、社会学を専攻していました。私が経営や経済に関心を持つようになったのは、テレビ局でアルバイトをしていた時に、ある巨大ベンチャー企業の粉飾決算を知ったのがきっかけです。それ以来、株取引を始めたり、簿記を学んで決算書を読んだりと、経済の流れや仕組みを理解することが楽しくなりました。人や企業などにお金という血液を送る経済社会の心臓とも言われる銀行に入れば、もっと経済について理解できると考え、銀行に入行しました。
地方銀行の行員として業務に携わる中で、地元中小企業の社長や経営者とお会いしているうちに、経営や経済の知識不足を実感することも多く、経営者目線で融資の提案ができる銀行員が必要とされていることを痛感しました。自分なりに大前研一学長の本を読んだりして勉強していたのですが、BBT大学で経営を基礎から学ぶことで、資金で困っている経営者の考え方に近づけるのではないかという気づきが生まれ、その気づきは「経営者目線でアドバイスができる銀行員になる」という自分のビジョンにつながりました。
金融庁の方針を先取りして学んだ未来視点のアプローチ
BBT大学で経営学の理論をインプットし、銀行で企業の決算書を読んでアウトプットする。理論と実務がつながったことで、「経営するとはどういうことなのか」「自分が経営者だったらどんな判断を下せばいいのか」、経営者の目線や考え方に近づくことができました。BBT大学の学びの中で、自分にとって最も大きな成果を得られたのは、コンサルタント的な思考を身につけられたこと。銀行の融資は、借り入れ実績や返済実績など、過去を重視する視点で評価します。一方、BBT大学で学んだのは、現状を正確に把握し、業績を改善、上昇させるためにはどうしたらいいか、未来を重視する視点のアプローチ手法。事業に将来性があっても担保がなかったり、創業からまもなかったりする企業が融資対象から除かれている現状を危惧し、金融庁からは事業性を評価した融資、支援へ積極的に取り組むよう指摘されていますが、そういった点では金融庁の方針を先取りして学べていたと思います。自分自身が与信調査をする際には、過去の実績だけではなく、こうした事業性にも目を向けて提案できるようになりました。
経営者の考え方に近づけた学びを活かして
銀行に入ったばかりの頃は、人に言われたことをそのまま信じてしまう性格でした。ですが、BBT大学でロジカルシンキングとそれを土台にした問題解決法(PSA=プロブレム・ソルビング・アプローチ)のメソッドを学べたことで、仮説と検証を行い、事実に基づいた判断ができるようになったと思います。こうした人生においても役立つ問題解決法は、中学生や高校生のうちに学んでおきたかったです。
主要国の中でも日本の財政状況は厳しく、自分で資産形成を行なっていかなければなりません。私の場合は大学時代にわからないながらも、株式投資を始めたことで経済と自分がつながる実感を持つことができ、その結果、政治や社会にまで関心を広げることができました。また、BBT大学で起業家の先生や仲間と触れ合うことで、経営者の考え方に近づくことができ、起業は身近なものであることを知りました。ただ、経済や経営について学べる場所は少ないのが現状です。まずはBBT大学で学んだ経営の知識や視点を活かしながら、経営者や地域の方にもっと頼られる金融のプロフェッショナルになりたいです。そして、金融教育を通して、私のように経済や経営を学ぶ人を後押ししていきたいです。