アートを通じて、
自分らしく働き、生きる。
幼少の頃よりヴァイオリンをはじめ、ドイツの音楽大学に進学。在学中に「フォーカル・ジストニア」を患い演奏家生命を絶たれ、日本に帰国。BBT大学に通いながら、企業のブランディングや採用のプランニングを行う会社に入社し、ディレクターとして勤務。2017年、アートポスター専門店を設立し法人化に至る。
逆境からの底力
難病を患いプロのバイオリニストの道を断念。その苦悩の先に出会ったものは、「芸術」で暮らしを豊かにしたい。という気持ち。卒論を活かして、ドイツ在住にして、アートポスター専門店を起業した。
ある日突然、夢がたたれた。
父の転勤で南アフリカとドイツで育ち、7歳の頃よりヴァイオリンの魅力に取り憑かれ、ずっとヴァイオリン一筋の日々でした。小さな頃はヴァイオリンを抱えて眠るほどでしたね(笑)。
ドイツの音楽コンクールのヴァイオリン・ソロ部門で1位を受賞するまでになりましたが、ドイツの音大に入って3年目に突然、指に力が入らない原因不明の病気「フォーカル・ジストニア」を患い、その道を断念せざるを得なくなりました
しばらくは放心状態でしたが、いつまでも荒くれていてもしょうがない(笑)。一旦日本に戻り、再度、じぶんの軸足さがし=再出発を考えました。
日本に戻ってきてリセット。BBTや社会で学ぶ
しかし、それまで音楽一筋で社会経験もなく、一般知識も少なかったので、自分の視野を広げるために学びながら社会人経験も積みたいと思い、ネットで調べて出会ったのがBBT大学でした。ここで学べば自分の可能性がぐっと広がるだろうと感じたので入学を決めました。
同時にクリエイティブ会社に入社し、様々な企業のブランディングやPRのお手伝いをさせていただく事でウェブの知識やコンセプトメイキング、コピーライティングなど、実務を通して自分自身が起業する際に役立つスキルを沢山学ぶことができました。
BBTでは第一線の実務家講師から様々なことを学びますが、いちばんインパクトがあった科目は「自己エネルギー創造講座」というもので、実際のビジネスをしている起業家さんのお話を聞くことで「好き」を仕事にしている方々から大きな刺激を受けました。BBTを卒業したら自分でも事業を起こしてみたいという気持ちも芽生えてきたので、マーケティング実践や会計など実践に役立つ授業も真剣に取り組みました。
書き上げた卒論でビジネスを開始。
菅野誠二先生の指導の下、書き上げた卒論をベースにMieLという会社を2017年に立ち上げました。ワクワクする毎日、Magic in everyday Life の頭文字をとっています。アートを通じて暮らしがワクワクと豊かなものになればという思いがベースにあり、国内外で活躍するアーティストの絵や写真のプリントをオンラインで販売しご自宅や会社にお届けしています。
https://www.miel-art.com/
インテリアとして暮らしに取り入れやすい絵であることを前提に、私自身が気に入ったアーティストに直接コンタクトをとって交渉。無名な会社が突然連絡をした所で当然無視されたり断られることもありましたが、ラブレターを書くつもりでそのアーティストさんの作品への思いを伝えたり、会社のコンセプトや、ビジネススキームをしっかりと伝えた上で、MieLの思いに共感してくれる方と契約してもらっています。
スタートしてみて意外だったのが、法人のお客様の需要が高いこと。それまで日本ではお家に気軽に飾れるリーズナブルな価格のアートを購入できる場所がなかったため、こちらから営業せずとも、大手のハウスメーカーやインテリアコーディネーターにお問い合わせいただきリピートいただいています。
アートプリントをリアルに見ていただくために展示会に出展する取り組みもしてきました。これまで、東京、ロンドン、アムステルダムで出展しましたが、MieLの存在を知ってくれている方は「リアルに見るとやっぱり良いですね」と言って下さったり、MieLの存在を知らなかった方も「とっても美しい!」と目を輝かしながらアーティストや印刷方法について質問くださる方も多く、人の心を動かすアートの力を目の当たりにして、今後もオンライン販売だけでなく、リアルな場も大事にしていきたいなと思っています。
自分らしく働き、いきる環境を整える。
起業する際、そして実際に事業を運営している今、大切にしていることが3つあります。
- ① 心に余裕を持つ。
- ②出来ない理由ではなく、出来る方法を探す。
- ③やりたいことはやり尽くす。
というものです。
1つ目は、音大生時代にヴァイオリンに没頭して自分に厳しくなりすぎてしまった過去の自分への戒めなのですが、仕事ばかりで忙しすぎて自分自身の人生を楽しめない様では心身ともに不健康だし、豊かな生き方ではないと思います。なので、忙しくても心に余裕が生まれる様に意識的に時間を作ったり、そういう時間を作れる様な働き方ができる工夫をしています。私にとっては好きな音楽を聴く、料理をする、ドイツの自然が豊かな森や公園を散歩する、生後4ヶ月の息子と遊ぶ、まだ完治はしていないけれどヴァイオリンを弾いたり、生徒にレッスンをするという事が日々の生活の中で心に潤いを与えてくれていますね。
2つ目は、クリエイティブ会社の社長から学んだ言葉なのですが、困難な環境下にいる時、あれこれ言い訳を並べてしまう事がありますよね。そうするとそこで思考が停止して行動出来なくなってしまうけれど、それでも出来ることは絶対にあるから出来る方法を探しなさいと教わり、色んな場面で背中を押してくれている言葉です。
私も起業前は、「ドイツの地方に住んでいるから」、「なんのツテやコネもないインテリア・アート業界でうまくいくのか」、「子供がいたら起業なんて無理なんじゃないか」など足が竦んでしまう様な要因がいくつかありましたが、それでも実現できる方法はある!と起業前に徹底的にビジネスモデルを考えたおかげで、これならいける!と恐怖心を拭うことができたり、自分自身が理想とする、子育てをしながら自宅でも世界中のどこにいても自由に仕事ができる働き方ができていると感じています。
最後は、BBTのみなさんはご存じだと思いますが、大前学長の「やりたいことは全部やれ!」の精神です。人生一回、やりたいことにトライしないと! 肌に染みて、そう思いますね。特に子供が産まれる前は、行きたい場所に旅行しに行ったり、長年ずっと会いたかったけれど会えなかった人を執念で探し出し、南アフリカまで会いにいったり、とにかく今のうちにやっておかないと絶対に後悔する!と思うことは全部やりました。
美しいものに感動できる環境をつくりたい。
ヴァイオリンや音楽と向き合い、芸術教育に力を入れているシュタイナー教育の幼稚園と学校に通った背景もあり、私にとってアートはとても身近であり、自分自身の生き方や思考法に大きな影響を与えてくれました。
でも、「アートは敷居の高いもの」、「知識がないと楽しめないもの」と思われてしまっている方も多く、とても残念に思います。
AIによって多くの仕事が将来的に無くなるだろうとも言われていますが、芸術や美しいものに触れることで磨かれる感性は人間にしか習得できないものだと思いますし、それを活かした人の心が動く様なアウトプットはAIには代われないのではと思っています。人は心が動いた時に消費する傾向にあると思っていて、そういう意味ではビジネスにも必要なスキルですし、「美意識を磨く」というのは今世界のビジネスパーソンにも注目されているキーワードで、これから益々重要になってくると思っています。
そういったアートが暮らしや仕事に与えてくれる影響を感じていただけるきっかけを将来的にはもっと提供していきたいなと思っています。それを実現させるためには本来はオンラインではなく、リアルな場がベストだと思っているので、いつかはギャラリースペース兼イベントスペース兼カフェの様な場を作りたいなと思っています。
他にもMieLのコンセプトである、Magic in everyday Lifeを軸にしながら出来る事、トライしてみたい事は沢山あるのですが、今は子育てをして、プライベートな時間も大事にしながらなので、すぐに実現させるのは難しいかもしれませんが、じっくりと構想を練りながら、少しずつ出来ることをマイペースに実践し、事業も子育てをするつもりで、ゆっくりじっくり付き合いながら成長させていきたいです。
MieL
一目惚れした絵を家に飾ってみたり、洋服を着替える様に季節ごとに好きな絵を掛け替えたり 誰もが好きな絵を選んで、自分らしいお部屋の空間作りを楽しんでいただけるように世界から厳選した作品を高品質&お手ごろ価格のアートポスターやジークレー版画として提供しています。
https://www.miel-art.com/