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何歳になっても前に進みたい。
常に成長し続けることに興味があります。

霜村 誠一
成長を止めない元ラグビー日本代表

群馬県出身。4歳からラグビーを開始。東京農大二高から関東学院大学へ。全国大学選手権で3度の優勝を経験。2004年から社会人リーグで活躍。同年、日本代表として日の丸を背負う。代表キャップ6。09年から日本選手権3連覇。プレーをしながらも大東文化大で教員免許を取得。2015年、保健体育の教員として桐生第一高校に着任、同校ラグビー部監督にも就任。4年後、花園に出場する。2019年、3つ目の大学としてBBTに入学。

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成長には終わりはない。

ラグビーで学んだことを活かしながらもセカンドキャリアは、もっと自分を成長させていきたい、と教師の道を選んだ。高校生を教えながらも組織論、ひいては、これからの教師の在り方を模索している。成長に終わりはないと常に先をみる。

ずっとラグビーの人生でした。

4歳の時、父に連れられてラグビースクールに行ったのがきっかけです。もう、そこからはラグビー漬けの人生。高校、大学と、気づいたらそれしかない。ラグビーだけを愚直にやってきただけかもしれません。国際試合に初めて出たのは22歳の時。スコットランド戦。100対8の大敗でした。

その試合は代表デビュー戦でしたが、なぜか全くプレッシャーもなく、ひたすらタックルをし続けていた記憶しかありません。初めての試合だったこともありますが、80分間ケガをしてもいいから前に出続けようと必死でした。

ボロ負けでしたが、次の日の地元紙では評価が高くて、日本のラグビーマガジンでも取り上げられました。通常の試合では、タックルは平均10回くらいですが、その時は20数回。若くて燃えていたのもあると思いますが、がむしゃらだったんでしょうね。それが目に留まったようです。

引退後、4年で生徒と花園に。

引退は2015年。日本選手権の準決勝でサントリーに負けました。場所は花園でした。そのあとは教員なることが決まっていたので、Twitterで「こんどは教員として花園のグラウンドに戻って来きます」と言って、4年後には生徒たちと花園に戻ることができました。

教員をやりながらも、一応プロリーグ「三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニック)」の選手としてもやって欲しいとのオファーもいただいたので、選手と教員の二足のわらじを一年間やっていました。たしかにハードな日々でしたね。どちらも中途半端になりそうで怖かったですが(笑)。

うちの高校は、ラグビー経験者の子が少ないんですね。未経験者ばかりのチームが基本なんで、毎年、一からのスタートです。いまBBTで「組織論基礎」っていう講義をやってくださっている中竹竜二さん(元早稲田大学ラグビー部監督。日本ラグビーフットボール協会初代コーチングディレクター)がいらっしゃいますが、ラグビーのコーチのためのコーチ理論を学んで実践されている方なんです。僕の中では、その「中竹メソッド」に強くて惹かれていて、それを活用して再現性のある組織を構築しようとしています。

高校生は、みんな純粋で素直なので、細かいテクニックを教えるのではなく、一人ひとりと対話しながら進めていくと、納得を持って組織だって行動してくれます。

エディ・ジャパンで学んだこと。

日本のラグビー人気が復活したのは、2015年の南アフリカ戦の勝利が大きかったと思います。エディ・ジョーンズという監督が陣頭指揮を執っていたんですが、就任早々、いきなりTOP 10に入ると言って、正直勝てないだろって思ってました(笑)。ただエディは組織作りやチーム作りにもの凄く熱心で、一人ひとりのマインドセットを変えていくことに力を入れていて「勝てないという思い込みを捨てろ」と言われ続けました。

当時、テレビドラマ「ノーサイドゲーム」に出演していた浜畑さんこと廣瀬俊朗さんがキャプテンで自分たちの大義を持ってやろうって事で「日本ラグビーの歴史を変えるとか」、「応援してくれる人に喜びを与えよう」とか。がむしゃらに勝つんじゃなくて組織を作って、どうやってマインドを作るかを鍛えていきました。1日に何回も“マインドセット”って言葉を聞きました。

マインドセットを変えていくためにも、根拠のない自信は危険なので、根拠持たせるくらいハードワークさせられる。数値やデータで示されたり、それを見せられると「行けるかも!」とだんだんと思えて来るんです。そして廣瀬の上にリーチ・マイケルがいて、彼の人間的な素晴らしさにチームが1つにまとまっていく、感じでした。

自分の迷いを解消しにBBTへ。

教員になって自分の中で指導に迷いがあって、正解か分からずモヤモヤしていました。プラス「教員」としても学校のことが気になっていました。

うちの学校は私学の一貫校。大学・高校・中学・幼稚園を併設していますが、これから少子化で学校自体の運営が、どうやって生き残りをかけていくのかと考えたときに、上層部だけの判断ではなく、内側から変えていく必要があると思ったんです。でも自分にスキルがないし知識もないので勉強したいと思っていました。

その頃は、本からしか学ぶ手立てがなくて迷っていた時に、元チームメートでもある廣瀬さんに相談。彼がBBTに行っていたのも知っていたし、面白そうだと思って、ついでに事務局の白崎さんともラグビー繋がりがあったので、いろいろアドバイスもらって入学することにしました。

教師も学び直す時代だと思います。

入学してから、随分と思考が整理できるようになりました。東田先生の「セルフリーダーシップ」が興味深かったですね。どうやって自分をリードしていくかみたいな話とか。「コミュニケーション」「心理学」「セルフコーチング」とか、そういうものも興味津々で学んでいます。

将来的にはラグビーの指導者で全国制覇を目指すとかの意識よりも、高校の教員として、しっかりと学生指導をできる人間になりたいと思っています。

目の前の仕事をこなすことで精一杯で成長もない人が多い。やはり、幾つになっても大人も教師も学び直す場が必要だと思いますね。

これからの教員ステージをあげていきたい。

ラグビー選手の時は周りの方々に活かされていたことが自分のエネルギーになっていましたが、今は自分を磨くことで、結果周りの人に良い影響を与えていけないかな、と思っています。僕もまだまだ未熟な教員ではありますが、過去の実績だけでなく、行動で価値を作り上げていきたいですね。

ラグビーは15人でやる競技です。1人の力は大したことはないかもしれませんが、チームのみんなでやれば優勝も出来るということを今の組織に当てはめられたらなって思います。持論や経験でその人だけができるのではなくて、誰がやっても上手くいく再現性のある指導集団にしたいですね。つまり、高校生でラグビーの全く経験ない子でも、代表になれるってことです。

テクニックや戦術を教え込むのではなく、今の状況をどう判断してやっていくのかというのを気づかせたりして、思考のプレッシャーを与えつつロジカルやメンタルを鍛えています。

名コーチって対話型なんです。僕が関わった外国人コーチは日本人コーチと違います。たえず、“俺はこう思うけどお前はどうなの?”という感じです。ミスをミスとして終わらせず、生かす方法を考えています。もし次に同じ場面があったらどうする?と問われます。自分ならこうしますって答えると「じゃあ、やってみよう」と言ってくれるんですよね。非常のフェアでポジティブです。

やりたいことがまだまだあります。 勉強以外に、フルートやピアノとか数学とか(笑)。

笑われてしまいますが、フルートは音が綺麗で、音を出すのはとっても難しいらしいですけどやりたくて、ピアノもやりたいと思っているんですよ。数学はゼロからやり直したいですね。子供が公文をやっていますが、全くわかりません(笑)。でも、まずはBBTを卒業することが先決ですね。

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