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2023/7/25

問題を「自分ゴト」として解決する! ~答えのない時代の生きる力を届ける総合的な探究の時間 ~

ビジネス・ブレークスルー大学では「答えがない中で自ら考え、自分だけの答えを導き出す」ことができるグローバル人材の育成を理念としています。本学科目の中でも「問題解決」は、学生たちが「難しいけれど何とかしたい」という困難な状況や実現したい夢をテーマに問題解決に取り組む際の大きな武器になることから、全国各地の高校生にも出張授業を実施しています。2023年度は長崎県立長崎北高校で3回にわたって「問題解決」の授業をしましたので、その様子をレポートいたします。

目次

・問題解決とは
・実施の経緯 ~長崎北高校 x BBT~
・生徒の感じた変化
・大公開!全3回の授業レポート
 第一回 ~「問題」を定義する~
 第二回 ~「鍵」をつかむ~
 第三回 ~解決策を広げる~
・授業を終えて
 長崎北高校の先生方より
 BBT講師より

「問題解決」とは

「問題解決」は2010年の開学以来、本学で必修科目として開講している科目です。自身のビジネスやキャリア、ひいては人生における「問題」を自ら定義し、解決の“思考”と“実行”の両面を修得することを目的にしています。

2022年度から始まった「総合的な探究の時間」においては「よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成する」という特質が学習過程に見られるとありますが、身の周りの問題をすぐに「自分の問題」として考えることは、時に難しいのではないでしょうか。

実施の経緯

今回の出張授業を体験したのは長崎県立長崎北高校の高校2年生240名です。

昨年度の総合的な探究の時間には、前期に地域の企業・行政が抱える問題に対する解決策を考え、後期には自ら問いを立てるところから解決に取り組みました。

特に後期の取り組みにおいて、「問題が思いつかない」「問題に対する解決の手順をどう考えたらいいかわからない」「思いついた解決策に取り組んでみたが実施の効果がわからない」といった様子の生徒にどのように働きかけるのかを、探究部の先生方は試行錯誤されていました。探究学習においてはどの学校でも経験される課題ではないでしょうか。その中で、本学の出張授業の告知を見つけ、問い合わせていただき、問題解決の思考法を体系的に楽しく体感してもらうことを目的に、本出張授業を実施することになりました。

生徒の感じた変化

長崎北高校の「K」「T」を創る山野さん(左)と前田さん(右)

山野さんの感想

去年の探究学習では磯焼けの問題に取り組んだのですが、インタビューで終わってしまいました。問題解決の際には「課題(解決の鍵)」を特定するというアプローチを知れたことで、次回は「解決のために意味のある行動」ができる気がします。また、第一回の授業で自分がこれまで乗り越えたことを改めて振り返ったことで、今後の進路を整理するのにも役立ちました。問題解決は難しいからこそ「できない」とすぐに決めつけるのではなく「どうやったらできるか」を考えるという前提に気づけたことで、自分の好きなことに立ち返って進路の幅を広く捉えなおせました。この夏に「トビタテ!留学JAPAN」でカナダに留学に行くので、さらに将来の視野を広げたいと思っています。

前田さんの感想

冨岡先生の授業ではグループワークやペアワークが多くあったのですが、グループ分けが独特で、今まで話したことのなかった人と話す機会がたくさんあり、友だちが増えました。そのおかげで、この3か月の間に自分の思いのある課題を解決するための行動を起こすこともできました。第二回の授業で体験したMECEの考え方をはじめて知り、今までは思いつかなかったような選択肢の広げ方を体験することができました。後期は、見えている問題の裏にある課題に対してみんなでたくさんアイデアを出して、それらを「解決できる」と思って行動したいと思っています。もっと多くの高校生がこの問題解決のアプローチを知ることで、日本の課題を解決することにもつながると思うので、もっとたくさんの高校で実施してほしいです。

大公開!全3回の授業レポート

第一回:「問題」を定義する

■ この回のゴール:問題解決ってちょっとおもしろいかもと思えるようになる
■ 本時の流れ  :
・講師自己紹介、目的・アジェンダの共有
・体験ワーク① 問題解決の手順を「物語」に当てはめると…
・体験ワーク② お互いの問題解決物語をインタビューで探究する
・まとめ あらめて「問題」とは
・振り返り

そもそも「問題」が生じるのは、苦しい状況や悪い状況だけではなく、何かに挑戦する場合もあるかもしれません。講師の経験談などもヒントにしながら、まずは個人でこれまでの経験を物語として振り返ります。主人公として、「何とかしたい」と思って問題に取り組み、困難を乗り越えて粘り強く実行する経験をたくさん書き出してみます。

その後、お互いの物語の背景にある「思い」にインタビューを通して寄り添う体験をしました。インタビューの相手はランダムに決め、これまでには関わったことのない人と話したのが印象的だったとの声が生徒さんから多数上がりました。インタビューは今後探究活動以外でも汎用的に使っていただける手法です。「気持ちに寄り添う」ことを大事にし、その人の中にしかない「答え」を引き出しました。

感想

・なんとなく過ごしてきた自分の人生を改めて振り返って見ると何度も問題解決をしていたことに気づけて面白かったです。難しいことでも、難しく考えるのではなく、楽しいと思えるようにすること、自分の思いを聴くこと、答えは自分の中にしかないことなど、わかっていたようでわかっていなかったいろんなことに気づくことができてとても印象に残るお話でした。

最後に、「問題」とは「むずかしいもの」、「それでもなんとかしたい」という思いが創り出すもの、またその点で、問題を定義することは人間にしかできないのだと話しました。

▼当日の授業の様子は長崎県内のテレビでも放映されました!
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/493246

第二回:「鍵」をつかむ

■ この回のゴール:自分の問題解決に半歩を踏み出したくなってくる!
■ 本時の流れ  :
・前回授業後の課題「取り組みたい課題と思い」をグループで共有
・レクチャー「問題⇒課題⇒解決策」のリズムで考える
・体験ワーク① MECEミニゲーム
・体験ワーク② ブレインストーミングとMECE
・レクチャー 仮説を事実で確かめる
・振り返り

前回授業の事後課題では、自分のこれから取り組みたい問題を物語にしてもらいました。

実際に提出いただいた事後課題

まずは、思いをもって自分の問題を定義することで、本時以降の解決までの思考の流れを体験してもらいます。

ところで、問題からすぐに解決策を発想しようとすると、解決の「本質」になかなかたどり着けないことがありませんか。本時では解決の「鍵」に目を向け、解決策を考えて実行する時のヒントをつかみます。

まず、MECEゲームではモレダブりなく解決の方向性を論理的に考えます。

グループで5つのテーマそれぞれに対して、解決の大きな方向性を考えます。解決策のアイデアが思いついても、一度手放してもっと上流にある抽象的な考え方に目を向けます。グループワークの後は、講師からも回答例をいくつかあげ、今後の考え方の参考にしてもらいます。

また体験ワーク②のブレインストーミングはよく使われる手法ですが、MECEとあわせて使うことで、より多くのアイデアが出てくると実感してもらいました。

「正解がない問いこそ、簡単に鍵は見つからない」として、粘り強くいろんな方向から解決策の鍵を探ることに時間を使いました。

また、休み時間には、生徒さんが講師の周りに「ブレストでこんなにたくさんアイデアを出しました!」と見せに来てくれたり、恋愛相談を持ち掛けてくれたりしました。

MECE・ブレインストーミングで出てくる解決の「鍵」は仮説でしかないこと、だからこそ事実で確かめて一次情報を得ることが大事であると最後にレクチャーがありました。「仮説だから、間違っていてもいいと気づけた」という感想は多く、アイデアを考えたり行動を起こしたりするときの心理的なハードルが少し下がったようでした。

感想

「粘り強く実行しても解決しない時は『何かが違う』」という言葉にすごく考えさせられました。解決したいなら他のやり方を考えてあの手この手を尽くすというのも大事なのかも!と思いました。

・解決策の前に方向性をあらかじめ決めておくことで、解決策をよりたくさん思いつくことができたし、様々な視点から考えることができました。

・仮定を事実で確かめるためには、インターネットで調べるのではなく、実際に自分で体験する方が分かりやすいということにも気づきました。

第三回:解決策を広げる

■ この回のゴール:「思い × スキル=解決する当事者」の仲間になる!
■ 本時の流れ  :
・グループで自己紹介、目的・アジェンダの共有
・体験ワーク① 前回授業の事後課題に対して、お互いへフィードバック
・体験ワーク② 英語・体育のテーマに対して解決策を創る
・レクチャー 解決策の選択・実行
・振り返り

第二回の授業を受けて、事後課題では自分の「問題」と「解決の鍵」「解決策」を個人で考えました。本時のはじめには、グループでそれを共有し、各々の発表に対して相互に「私だったらこの問題の『鍵』はこう考える」をフィードバックしました。問題の多くは受験や進路、試験勉強に関するものが多く、相互に共感しやすいものでしたが、自分の問題を違った視点で見ることで新鮮に「鍵」を捉えなおすことができたという声が多くありました。

解決策を思いついた後は実行するのだとわかっていても、悩んでいる人ほどここが一番むずかしいステップであるのも事実です。そこで大前研一学長の言葉から「半歩」踏み出すことで自分をやる気にさせようと話しました。

体験ワーク②では以下の2つのテーマから取り組みたいものを選んで、4人グループを組み、解決策のアイデア出しをしました。

  テーマ1:「間違ってもどんどん話すことが楽しくなる英語の授業」とは?
  テーマ2:「寒くても足が遅くても走ることが楽しくなるマラソンの授業」とは?

いずれのテーマも鍵は「楽しい」です。MECE・ブレインストーミングを活用しながら解決策をたくさん考えたあとは、レクチャーの中で「解決策を選ぶ手順」をお話ししました。

そして、これまで3回で培ってきた「問題の定義」「課題の発見」「解決策の広げ方」をもとに、問題解決を通して自分や周りの大切な人、そして社会を良いものにしていってくださいとのラストメッセージで、出張講義を締めくくりました。

感想

・自分と同じ問題を抱えている人がいて、自分の意見を共有しあえてよかった。「if I were you」を考えるのは意外と頭を使って考えさせられて、楽しめた。人と共有し合うのは恥ずかしい場合もあるけれど、それ以上に相互に得られるものが大きいと思う。

・(極寒のマラソン大会をどうやって楽しむかという問題解決を通して)実際マラソンはいやだなあという考えはあったが、好きになろうとしていなかった。しかし、新しい仲間とともに持久走がとても面白くなるアイデアがたくさん出せて楽しかった。何かに対する考えを少しひねってみることで案外人生を楽しく過ごしていけそうな気がする。

3回の授業を終えて

探究部 坂本先生

問題を解決する考え方は、社会人になってからなんとなく自分で身につけてきたスキルでしたが、高校生のうちに「与えられた課題を解く」のではなく、体系的に考え方を体験したのは貴重でした。今後進路を考えるときや友人関係で悩んだときにも、自然と今回学んだ武器を応用できるのではないかと思います。後期は地域の身近な「問題」を立てて取り組んでいきますが、難しいことにも「どうやったらできるか」と向き合ってほしいです。グループワークを通して、普段おとなしい子もコミュニケーション力が刺激されて、全体的な活気が出てきたような気もします。直接話すことで築かれる「リアルな」交友関係が広がったのも、良い経験だったのではないでしょうか。

探究部 上村先生

冨岡先生の授業では、教員も実際に考えてみたくなる手法が紹介され、「問題解決っておもしろいかも」と引き付けられたのが率直な感想です。常々、学びを実社会とつなげたいと思っており、探究学習を通して生徒が実社会の課題に向き合う機会を大事にしています。今回の授業で課題に向き合うときの武器を知り、6割以上の生徒は着実に自分のモノにしている気がします。後期はぜひ足を動かすことに期待しています。240人が半歩でも動いたら、大きな違いを生み出せるのではないかと思っています。

BBT講師より

「問題解決」というと、論理的に思考を働かせる「難しいこと」と感じる方も多いのではないでしょうか。私自身は日頃から、問題解決の考え方を楽しみながらさまざまな場面で使っており、受講生にも同じように「考えることは楽しい」と思ってもらえるように努めています。今回の長崎北高校の生徒さんの多くが、終了後の感想に「楽しかった」と書いてくれていて、嬉しく思っています。

3回の授業を通して、気づいた「思い」と、身につけた汎用的な「スキル」をもって、「なんとかできそう」「問題に向き合ってみよう」と感じてもらえたら、あとはできるまで実行するのみです。これからの人生を通して、長崎北高校の皆さんがどんな問題に挑戦するのか、楽しみです!

ご質問や不明な点は お気軽に下記までご連絡ください。

ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 入学相談室
Mail:bbtuinfo@ohmae.ac.jp
TEL:0120-970-021(平日 月~金:9:30-18:00)

この記事の執筆者

ビジネス・ブレークスルー大学

BBT編集部
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