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菅野 誠二

Seiji Kanno

マーケティング
スペシャリスト

常に危機感と、世の中を変えたい気持ちを持ち、お客様に価値提供する!

お客様に価値を提案し続けるということ

マーケターが徹底的に本当に考えてなくてはならないことは、お客様のことです。お客様にどんな価値提供ができるのか?そこはどの時代もブレないところです。
お客様のニーズのベースとなるもの、つまり生活する上での現状の様々な「不満」や「欠乏」は、いつの時代もさほど変わらないですが、従来にはない新たなニーズ(ゲイン)に気がつくお客様が出てきます。一方で、気がつかないお客様もいて、そういうお客様は、ペイン(痛み)を感じないようにしています。

このペインとは、生活する上で減らしたい(排除したい)要素のことです。人はペインを感じると、何かをしなくてはいけないと感じ、ペインを何とか取り除こうと考えます。そこにニーズが生まれます。ですが今の時代は「ペインを感じるぐらいだったら、自分はこのままでいい」と考え、ペインを感じないようにしているお客様が増え、お金を払いたくないお客様が増えています。
また、ゲイン(メリット、恩恵となること)を常に感じている方もいます。「もっと私はこうなりたい」、「もっといい生活をしたい」など、お金払いニーズを満たしたいお客様です。ここにもニーズは生まれます。

現在は、残念ながらペイン及びゲインを感じにくいお客様が増えており、いわゆる低欲望社会になっています。これは特に若い人達に増えており、例えば「自分は頑張ってもこの程度にしか行かない」とか「自分の状況はそんなに悪くないんじゃないかと、あんまり頑張っても上にいかないだろう」と思っている若い人達がいて、その方々は地元で仲間や家族などと、ショッピングモールなどで一日過ごして、別に海外旅行など行かなくても十分楽しいと感じている場合が多いです。大志が無くなってきているのです。このようなことが今起きている低欲望社会のおいての現状です。
そのためマーケティングは非常に難しくなってきています。こうした現代のお客様に対して、「もっと良い社会」、「より良い自分らしい生き方」などの価値を提案し続けることが、一流のマーケターに求められています。

一流のマーケターがお客様に価値を提案し続けるためには、自分自身で「どんな世界を自分で作り上げたいか」、「どんな世界で自分は生きていたいか」、さらに「自分の子供がどんな社会で生きていってほしいか」という、人として根源的なことを、マーケター自身が常に考えていくことが必要です。「ちょっとでもいい社会にしていきたい」とマーケター自身が考えてお客様に提案しないと、これからのマーケターはうまくいかないと思います。

会社も個人も、常に危機感を持つ、アンテナを立てる

今の時代、企業はお客様の本当の価値を想定しながら、競合と戦って勝たないといけないです。今の世の中はテクノロジーがどんどん進化し、全ての企業はITが必須になり、ITなしではビジネスはもう回らない時代に変化しています。
そうなると、イノベーション(新たな価値観の提案)を起こして、今までとまったく違う戦い方をして参入してくる異業種の企業がたくさん登場します。その流れを何もせずに、危機感もなくただ見つめているだけだと、倒産してしまう時代です。

これは企業だけではなく個人であっても意識する必要があります。異業種が参戦して会社が潰れしまう危機に直面するのです。個人も今までの旧態依然とした仕事の仕方をしていると次がなく、潰れてしまう。だから危機感をもって仕事をする必要があります。
常に自分のビジネスが全く関係ないものに奪われるかもしれない、又はAIやロボットに自分の仕事を奪われるかもしれないということを、少しでも日々危機を感じていれば、未来は見えてきます。

マーケターは、人々の生活をもっと豊にするために、このような時代の変化に対して、危機感を持って情報のアンテナを立てる必要があります。
アンテナを敏感に立てているからこそ、マーケターは他の業界でイノベーションが起こったときに、そのイノベーションを察知することができるようになるのです。
マーケターは仕事をしていく中で、自分がこの世の中を少しでも、いい場所にしたいと思う中で、危機感を持ち自分の周りをよく見回し、その動きが最後にお客様にどういう価値提供につながるのかを、常にシミュレーションしトレーニングをする必要があるでしょう。

ワクワクする仕事、それがマーケター

マーケターは本当に面白い仕事です。世の中の動きを察知し、その中で自分が本当に価値のある提案ができるかを考える。お客様を喜ばせるために、どんなことをやったらお客様は「すごい」と言ってくれて、対価としてお金を払ってくれるか考える仕事です。

その中でマーケターは今までと全く違う、「提供物」(Offerings)を
作っていく必要があります。「提供物」とは、商品としての「モノ」だけである
ことは少なくなっていて、サービス化が進んでいきますから、完全なサービスへ
のシフトか、モノとサービスの混合体を意味します。自動車を売っている企業が、
MaaS( Mobility as a service) つまり移動を提供するサービス企業になるので
す。マーケターは新しい「提供物」を常に考えて、世の中に試していく必要があります。

さらにMVP(Minimum Viable Product)といって、ものすごく研ぎ澄ました面白い、尖ったものを作り、それをお客様に提供して、お客様と一緒に新しい価値のあるものを試行錯誤していき、本当にお客様が喜ぶモノを作り上げていくことも必要です。
このような、お客様と一緒に創造する世界に、これから少しずつ変化していき、それがいずれ可能になります。

昔は大きな仕事をするためには、「人」、「モノ」、「金」が、たくさん必要でしたが、今の時代は、「金」はいくらでも調達できますし、「モノ」も他の会社に作ってもらい大量生産もできます。
そうすると最後に簡単に置き換わりされないのは「人」だけです
つまり、今説明したような世の中が変化している話を勉強し続けることです。自分が世の中を変えたいと思ったら、その人の「能力」と「知識」と、それから最後は「意思」だと思います。それがあれば世の中変えることができるかもしれない。

このようにワクワクできるのがマーケターの仕事だと思ってほしいですね。

インタビュー動画

菅野 誠二

経営学部 グローバル経営学科 専任教授
ボナ・ヴィータ 代表取締役

有限会社ボナ・ヴィータ 代表取締役(経営コンサルタント)
早稲田大学法学部卒業。IMD経営学大学院 MBA。
ネスレ日本にて営業、ブランド担当者、マッキンゼーにて数々の大手企業へのコンサルティング、ブエナビスタ(ディズニーのビデオ部門)にてマーケティングディレクターを務める。
現在、ボナ・ヴィータ社を設立しベンチャー数社を支援する傍ら、コンサルティングとアクションラーニングを通じた企業変革に携わっている。
社団法人 日本経団連主催の「グリーンフォーラム」マーケティング戦略、コミュニケーションスキル講師

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