ボーカルも楽曲も生成AIだけで制作!卒業歌制作秘話 ~BBT大学で学んだこと、全て~
2024年3月30日(土)、ビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学)から40名の学生が卒業しました。学位授与式で卒業生が披露したのは、生成AIを活用して動画・楽曲を制作した「卒業歌」でした。
BBT大学で過ごした学生生活を振り返って、良かったことやあるある、大変だったこと、それでも学びを続けられたエピソードなどを卒業生の言葉で表現した作品に、式典参加者全員の目頭が熱くなりました。
本記事では、制作の中心となった卒業準備委員会の蓮輪さんと渡邊さんへのインタビューを通して、制作裏話や歌詞に込めた思いを深堀していきます。
◆ 話題作の制作ウラ話
筆者:
改めて、すごい動画ですよね。学内でも大変な話題になっています。講師や在学生から、作品について感想はもらいましたか?
蓮輪さん:
作り方に関する質問を多くもらいました。同期からは「もう歌詞を覚えた!」という連絡が来たり、目頭が熱くなった方も多かったようで温かいコメントをもらいました。今年卒業のBBT大学院生からも制作方法を教えてほしいとご連絡をいただいたり、もう一度見たいという声があったこともとても嬉しかったです。
自分たちは何度も何度も聞いた曲だけど、1回聞いただけで誰かの印象に残ったり、心に響いたという話を聞いて、「伝わってよかった!」と安堵感と嬉しさが同時に込み上げてきました。
筆者:どうして歌を作ることになったのですか?
蓮輪さん:
2023年は生成AIの一年だったと思っています。卒業準備委員会の中ではアイデアを出し始めたときから、卒業制作は物理的なものではなくて、AIを活用したデジタルなものをつくりたいというコンセプトで進んでいました。
忙しい社会人が、仕事や家庭の事情などを調整しながら学び続けることは、決して簡単なことではありません。それでも卒業まで学びを続けてこられた私たちだから感じる思いを、謝恩の意を込めて大学に届けたいと思って、まずはアンケートでBBT大学への思いを収集しました。
渡邊さん:
アンケートの結果を歌詞の体裁に整えて、suno という楽曲生成AIに入れてみたら、想像より出来がよくて驚きました。その後は私と蓮輪さんでAI楽曲生成活動に入りました。
蓮輪さん:
いい感じの曲をつくるまでには、いろんな攻略サイトから情報を拾ってプロンプトのコツを研究する必要がありました。「これだ」というプロンプトが見つかってからは、「あたり」が出るまでひたすら同じプロンプトを何度もAIに投入して生成を繰り返します。
AIで生成された楽曲の完成度は7割くらいで、音楽アプリに精通している人であれば、他の音楽編集アプリなどで編集することで満足のいく作品に仕上げられるかもしれません。私たちはそのスキルを持ち合わせていなかったので、何度もAIに楽曲を作り直してもらう必要がありました。曲の前半が気に入っても、後半ですべての歌詞を歌っていなかったり、思い通りになっていなければ、もう一度同じプロンプトを入れ直して、実質最初から作り直しになります。細かいコントロールが効かない分、一番AIと格闘したポイントでもあったかもしれません。
渡邊さん:
実はこの卒業歌も、出だしの歌詞1文字が欠落しているんですが、そこだけをピンポイントで補って生成し直してはくれないんですね。本当に、一期一会なんです。本作品のほかに候補となった曲も数曲あったんです。
楽曲決定後に、式典で流す動画制作がはじまりました。こちらも画像生成AIで素材を作り、動画生成AIでアニメーションにしていますが、蓮輪さんがAIだけで生成した3分の動画のクオリティは許せなかったらしく(笑)、最終的には人の手で編集してまとめました。
生成AI などのテクノロジーが発展すればするほど、「人間には何ができるのか」が問われていると感じています。今回の卒業制作では AI を使い倒すことをテーマに、さまざまなAIツールを使いましたが、その結果として「人間ができること」に気づいた機会にもなりました。
◆「最後の雑炊まで食べる」
渡邊さん:
入学当初から、学長はじめ講師陣には「自分の頭で考えろ」と言われ続けていました。
卒業した今、この言葉は「何かを出してもらうことを期待して受け身になったら、BBT大学での学びは最小限になってしまう」ということだと解釈しています。
自分の意見は何なのか、自分が行動するとしたら何なのかを常に考えて積極的になることで、講師やスタッフ、LA、そして学友と学びあうというサイクルが、学生生活を通して魂に刻まれたと思っています。
だからこそ、最後の最後まで、自分にできることを形にしようとするのは、半ば条件反射になっていたと思います。
卒業制作も、手をあげてから作品が仕上がるまでの2か月間は学びの多い刺激的な期間でした。蓮輪さんや品川さんは行動力がすごくて、少し目を離しているうちにプロジェクトが一気に進んでいたり、岩渕さんはみんなの意見が煮詰まったときに方針をスパっと決めてくれたり。卒業委員の誰一人が欠けてもできなかったし、「最後まですごい人たちと一緒に学び抜いた」と誇りに思えています。
蓮輪さん:
卒業準備委員の一部のメンバーの間では「最後の雑炊まで食べる」が合言葉になっていたんです(笑) この言葉はお互いにはっぱをかける意味でも使っていましたが、最後までやり切らなきゃもったいない、BBT生でいることを最大限味わいつくさなきゃという気持ちでいました。
筆者:
皆さんの魂のこもった歌詞を、一つずつ見ていきたいと思います。
◆ 歌詞に込めた学生生活の思い出
渡邊さん:
この歌詞には、ゼミの先生からの「学帽と一緒に卒論を投げるな」という言葉と、学友やBBT大学関係者への感謝の思いを込めています。
私たちの卒業論文は、多くの卒業生が自分の所属する組織や自分で起業するための事業計画を書き、自身のキャリアや人生に関わる取り組みをまとめています。
つまり、今日で卒業ではあるけれども「これから」のスタート地点に立ったにすぎないという思いを表現しています。
蓮輪さん:
ここからの歌詞は、事前アンケートの回答からBBT生のあるあるを取り上げています。
「BBT」を知っている方はそれほど多くないかと思います。まして、BBTに在学した方、していた方というだけで、ぐっと距離が近くなる共通点になりうるという意味を込めています。
また、オンラインの環境では、人と関わらない選択をすることもできると思います。でもBBTでは、「この人ともっと関係を築きたい」と思ったときに声をかけるハードルが、対面のときよりも低いと感じています。距離の取り方は自分次第ですが、ちょっと勇気を出して行動すれば、人脈がぐっと広がります。
渡邊さん:
BBT大学には起業している人も多くいて、皆さんスペシャリストなんですよね。なにかあると「この分野はあの人が得意だったな」って学友を思いだしたり、誰かが自分のことを必要としているときには声をかけてもらったりする関係性ができていて、それはこれからも続いていくと感じています。
渡邊さん:
サビの部分は繰り返し流れることもあり、BBT生誰もが経験するルーティンを題材に韻を踏んで持ってきました。
蓮輪さん:
課題の提出締切にはちょっと憂鬱だったり、焦りや悔しさを感じたりすることもありましたし、一方で新しい講義が見られるようになることもあってワクワクしたり、いろんな意味で気持ちがざわつく日だと思うんですね。
筆者:
このフレーズは、大学教務の中でも流行っています(笑)この時期はまさに新入生からAirCampus(歌詞内の「AC」。オンラインの学習プラットフォーム)に関する質問対応が多いので。
蓮輪さん:
すでにミームとして使ってもらえているようで嬉しいです(笑)
2年生は学習ペースがわかってきた分欲張ってしまうのか、履修科目を登録しすぎてしまう方も多いようでした。
「辞めるか迷った3年生」というフレーズは、辞めることを全く考えたことのない私でも、一番胸が熱くなったところなんです(笑)
時期は人それぞれだと思いますが、誰しもBBTを続けるのか、このまま進んでいいのかという迷いを感じた時期が1度はあったのではないかと思います。
この歌詞には共感の声もたくさんいただきました。このフレーズで目頭が熱くなってしまった人も、きっと少なくないはずと思っています(笑)
渡邊さん:
私は2年生の後期からしばらく休学をしたのですが、前期は科目をたくさん履修していたので、復学をするときに「どうやって時間を捻出していたんだ!」とびっくりしました。
休学のきっかけは、転職して業務量が多くなったことで、思うような成果が出せないと思ったことでした。教務の方に相談したときに「復学するハードルは高い」と言われていましたが、こういうことかと実感しましたね。それが私にとっては「辞めるか迷った」ときでした。
私はそのタイミングで「自立型セルフコーチング」を受講したのはとても良かったです。自己管理を学べたことで、学習習慣を作るのに役立ちました。もっと早く受講すればよかったと思うくらいです。
筆者:
BBT大学が標榜している「教えない大学」に言及してくださっている箇所ですね。
渡邊さん:
入学したときからずっと学長はじめ講師に言われてきましたが、はじめはよくわかっていなかったと思います。
卒業する今改めて振り返って、「用意してもらった課題をこなせば何者かになれると期待してしまうのではなく、自分はどのように取り組みたいのかを考えろ」という意味だったのかなと理解しています。学びの組み立て方や目的を自分で考えて、講義やディスカッションで得たことを、どのように自分なりに行動につなげるのかを考える習慣を身につけることで、楽しくなったとも実感しています。自分のお金と時間をかけて学ぶんだから、学びをどれだけ自分のものにできるのかも、自分次第ということだなと。
蓮輪さん:
私たちのBBTライフを支えてくださった方々へ、謝恩の気持ちを込めて歌詞の中に登場させたく、この3行ができました。
教務の人たちの対応力は本当にすごいです。一人ひとりの学生を見て、知って、ケアしてくれました。LA(ラーニングアドバイザー)は、学生同士の対話が盛り上がるように上手くAC上で立ち回ってくれます。LAの方の動きによって、科目の楽しさが変わるといっても過言ではありません。また、学生が自分で考えるための気づきを程よく与えてくれます。
渡邊さん:
それがちょうどいいんです。答えを示すことは、一番簡単なことです。講師が裏で采配しているのかもしれませんが、LAは、考えを深めるための参考リンクをそっと提示してくれたり、学生の様子をみて投げかける質問を変えてくれたりしているのがわかります。
蓮輪さん:
他にも「参加者少ないグループワーク それでも最後は達成感」という歌詞があるのですが、この卒業準備委員会でも改めて感じました。最後の雑炊まで食べられたこと、本当に達成感がすごくて、しばらく廃人になっていました(笑)
渡邊さん:
確かに大変ではありましたが、私は卒業委員は絶対にやった方がいいと思います!
このためにBBTに入ったと思える時間でした。
筆者:
すべての行に、BBT大学での思い出が詰まった動画ですね!皆さんの愛をしっかりと受けとりました。これからもそれぞれの場所で、ご活躍されることを祈念しています!
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BBT大学では幅広い年齢・バックグラウンドの学生が「キャリアを変えたい」「人生を変えたい」と入学してくださいます。学びにハングリーな学生と刺激し合いたい方や、ご自身のセカンドキャリアをもっと楽しくしたいと考えている人はぜひ、一度お気軽に説明会や個別相談会にお越しください。
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