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BBT大学×地方創生まちづくりEXPO「まちてん」 「オンライン村おこし事例中間報告」トークセッション 宇田左近学部長

2015年12月25日

20151129日、ビジネス・ブレークスルー大学は、地域の未来をデザインする地方創生まちづくりEXPO「まちてん」にて、2015年度秋期学期新科目「プロジェクトT」における、「オンライン村おこし事例中間報告」をトークセッション形式で行った。

「プロジェクトT」とは、本件のクライアントである福岡県最少の自治体「東峰村」に地方創生の施策提案を行う科目であり、201510月から20162月まで開講している。

現地に一定期間住み込んで行う従来の地方創生活動とは異なり、オンライン環境を利用し遠隔から村おこしに取り組むというのが本科目最大の特徴である。

トークセッションでは、「オンラインで地方創生!~福岡県で最も人口の少ない東峰村を再生する~」というテーマで、本科目の経過や村民の反応、クライアントの立場、今後の展開について等を、担当教員である宇田学部長と東峰村村長澁谷氏に語ってもらった。

まちてん全体.jpg

――なぜ今回、東峰村がオンラインのBBT大学とコラボレーションをすることになったのでしょうか。

 

澁谷氏:福岡県で一番小さい村である東峰村を如何にして活性化させていくかが、かねてからの大きな課題であった。東峰村は、福祉をはじめとする様々な問題を抱えているが、特に、この地方創生に絡む人口減少対策に関しては、我が村でどのように取り組んでいけば良いのかが見えなかった。そういった状況の中で、問題解決を得意とするBBT大学が東峰村の抱える問題を如何にして解決していくのかということに興味を持ち、期待して組ませていただいた。

 

――なぜ宇田学部長は、この東峰村の村おこしというテーマを大学で取り上げたのでしょうか。

 

宇田氏:BBT大学とは、スマートフォンを携えキャンパスを持ち歩くことで日々の活動自体が大学生活になるという位置付けのオンライン大学であり、日頃の体験から学生が自分で考えていくことを第一義としている。また、仕事をしながら学ぶ学生もいれば18歳で高校卒業後即進学してきた専業学生もいるというのも特徴である。この前提があったうえで澁谷村長と出会い、実際に東峰村が抱えているいくつかの課題に対してどう解決していくかという話をいただいた際に、これはオンラインである教育機関にとって、一種の挑戦、フロンティアになるのではないかと思った。現状はプロジェクトの途中ではあるが、オンラインによる地方とのコラボレーションというのは大いに可能性の広がるものであると考えている。

 

――オンラインで村おこしをする科目『プロジェクトT』とは、どのようなものなのでしょうか。

 

宇田氏:約半年のプロジェクトであり、15人程の学生が履修している。単位も当然提供される。今回の15人の中には中国で仕事をしている学生や、網走に住む学生、また福岡県の東峰村に近い所に住んでいる学生もいる。様々な場所に住んでいる学生が同時に履修できることが、このカリキュラムのメリットの一つであると思う。というのも、場合によっては世界中からの知見を一つのローカルな村の活性化に結集できるからである。ただし、オンラインで議論をするだけではなく実際に村に行き村に住む方の話を聞き自分で体験をする必要性も当然出てくるので、つい先日もフィールドスタディーで15人の学生全員が村に訪問したところである。あと2回程、議論やプレゼンテーションのために学生が村を訪問する機会を作るが、基本的には6カ月間のほとんどをオンラインによる遠隔で考えていくという授業である。

 

プロジェクトT1.jpg

――東峰村としては、外から学生さんが来るというプロジェクトを受け入れることに関して、難しい点はありませんでしたか。

 

澁谷氏:小さい村なので、こういった取り組み初めてであり、当然リスクも色々あるかと思ったが、これをやらないことには地域おこしができないと思っていた。そこで、東峰村には5年先、15年先の村のあり方を考えていく部署がなかったので、今年の4月に役場の機構改革を行い、「企画政策課」というものを今年の4月から立ち上げた。その課の職員の一人が現在、BBT大学との窓口となっている。

 

――外から村おこしをしようと思っている方々の中で、「どうやって村に入っていくか」という点に悩んでいる方も多くいると思われますが、村長としては何を求めていますか。

 

澁谷氏:その地域が分からないというのが一番大きな問題。その中で「そこのリーダーの考え方」が最初の大きな課題ではないかと思う。私見だが、村の中にいる人間は村の状態をなかなか判断できないもの。その辺りを外から来られた方の目線で見ていただき、村の問題点は何かというところを炙り出してもらい、解決策を考えて頂くのが適切ではないかと考えている。

 

――今回のBBT大学とのコラボレーションにおいて、村長はどのようなところに良さを感じていますか。色々なバッググラウンドを持っている学生がいるのが特徴だと思いますが、その他は点についてはどうお思いですか。

 

澁谷氏:私が一番尊敬する人は本田宗一郎氏。その次に尊敬しているのが大前研一氏。BBT大学の学長である。その大前研一氏が作った大学なので、この村の問題点を解決してくれるのではないかと大きな期待を持っている。

 

――これまでも他の大学とのコラボレーションや、他の大学による「村おこし」の取り組みはありましたか。

 

澁谷氏:現在も合併により廃校になった小学校を如何に活用するかということで、福岡大学の先生とプロジェクトを組んで取り組んでいる。しかしながら、福岡大学の学生の大半は高校卒業後すぐに大学生になった人達。その点、BBT大学の学生は社会人が多く、色々な経験をされ、起業精神が強い学生が多くいる。そのような学生方の目を通して東峰村どう活性化させていくのかを考えていただくというのが大きな違いだと思っている。

 

まちてん渋谷氏.jpg

 

――このプロジェクトを受け入れるということが非常に大きな挑戦になると伺いましたが、挑戦をしていくということが今後、地方創生には欠かせないことになっていくのでしょうか。

 

澁谷氏:公務員というのはリスクを取らない、石橋を叩いても渡らないもの。村を興そうとか活性化させようという気持にならない、若しくはなってもなかなか進まない。そういった部分をBBT大学の学生さんとオンラインでディスカッションをするなりしながら知恵を借り、そしてリスクを覚悟の上でやっていく、やり抜くというのが、私が今思うところである。

プロジェクトT2.png

――東峰村側としては、リスクを取っての新たな取り組みということになりますが、大学にとってはいかがでしょうか。

 

宇田氏:勿論このプロジェクトは難しい課題だと思っている。この半年のプロジェクトはこれが第一弾だが、2年続くかもしれない、3年続くかもしれないが、すぐに何かが起こる、変化するかということについてはなかなかハードルが高いと思う。

しかし、御存じのように東峰村に非常にしっかりとした主導体制もできつつある。そこにBBT大学の海外からの視点やWebマーケティングの視点といったものが加わることで、特産品を海外に紹介し売っていくといった形になった時、BBTが既に持っているオンラインによる世界中のネットワークが最大限有効活用してビジネスを発展させられると考えている。そして東峰村とのコラボレーションがうまく進んでいくことで、必ずオンラインでの村おこしプロジェクトの成功事例になるだろうと確信している。現地に住み込んで行う従来型の地方創生だと、交流できる相手が限定されてしまうが、オンラインであればどこに住んでいても地方創生に携わることができる。この点を活かし、オンラインならではの地方創生のモデルを作っていきたい。

また、問題解決するという観点から言えば、東峰村の方と共に議論をしていく中で、こういうことをやっていきたいということが出てくれば、オンラインを離れてリアルの活動に踏み込んでいくことが十分可能である。そういう意味で、リスクというよりはチャレンジであるという認識でいる。オンラインで完結する大学のシステムはもう出来ているが、このようなリアルな世界との接点でどうやってバリューを出していくのかという部分は、まだ発展途上であると感じている。

 

――オンラインの地方創生だからこそグローバルな視点がどんどん入っていくというメリットがあるということになると思いますが、リアルな世界での接点も持っているということで、先週末に実際に『プロジェクトT』の学生さんが3泊4日で東峰村を訪れたとのこと。そこではどのようなことを行われたのでしょうか。

 

宇田氏:半年の履修期間内に3回東峰村に行く機会が設定されているが、現在チームを4つに分けて進めている。1つは小石原焼。日常的に使える色んなタイプのお皿やお椀がある。1200人の村に50もの窯があるという、焼物に特化した村であることを、もっと多くの人たちに知ってもらい広めていくにはどうしたらいいかというお題を扱っている。次に、やはり農業。これから農地が枯れていくと人が来なくなるという問題もあり、他の地域でも多くの方が課題として認識しているものである。それから観光。岩屋神社、棚田、蛍といった多くの良いものを沢山の人たちに認知させていく。定住人口を増やすということがプロジェクトの主目的ではあるが、その前にまずは知ってもらうことが大事。そしてIT。村に定住しながらマーケティングといった色々な活動をやってくれる人を呼び込むのに必要なものである。

先日の訪問では、それぞれのチームごとに村の関係者にヒアリングを行い、意見を聞き、村長にプレゼンテーションをして、フィードバックをもらうということをした。まだ途中段階だが、ここから学生15人が問題解決の仮説を持って皆で臨み、12月の中間報告と来年2月の最終プレゼンまでに、焼物のニーズや観光資源の活用法やITの取り入れ方といったことを練っていきたいと考えている。

プロジェクトT3.png

――今回の34日のフィールドワークで学生がプレゼンテーションを行っていますが、その内容はどうでしたか。

 

澁谷氏:クライアントである私としては、正直に言うと、もう少し見方や提案の仕方といったものを頑張ってほしいと思う。村長の目線で「もしあなたが村長であれば、この村をどうするのか、どう活性化させるのか」というところまで踏み込んで考えて頂きたい。この視点を持って取り組むことで非常に大きな成果が出るのではないかと思っている。

 

宇田氏:今の(澁谷氏の発言)は大変重要なポイントである。外から入る人達、あるいはサポートしようという人達が、どういう視点で取り組むべきなのかということの問い掛けだと思う。BBT大学というのは、学長大前研一が常に「あなたが○○の社長だったらどうするか」ということを問いかけるという授業を行っている。自分がその責任ある立場に立った時、果たして何ができるのかということを自分で考えるという訓練である。これは、ほとんどの一般の大学の学生、世の社会人達も為されていないもの。今回の15人にも「東峰村村長の立場であったら、村長の参謀であったどうするか」というのを設定しているが、なかなかその視点に立って物事を見ていくということは難しい。けれども、担当教員として、どうしたら学生がそういう風に考えることをサポートできるかという点も非常に大きなチャレンジとして取り組んでいる。

BBT大学は「教えない大学」というコンセプトを謳っているが、これは、ヒントは出すけれども学生が自分で考え自らの力で答えに到達するという教育理念である。問題解決の手法とこの教育理念が結晶することがプロジェクトの成功に繋がると思うが、東峰村の全面的な協力があるので、前に進んで行けるのではないかと考えている。今の澁谷村長のメッセージを学生も今一度改めて噛みしめて、目線を広げて考えてもらうようサポートしていきたい。

 

まちてん宇田先生.jpg

 

――オンラインの講義の第1回の中で、学部長が学生に対し「単位を取るためではなく、クライアントのために問題解決の意識をもって取り組んでください」というメッセージを送っていましたが、澁谷村長は今後どんなことを期待していますか。

 

澁谷氏:外の人の目で村を診断していただき、村人が気付いてない良い所悪い所を踏まえた上で、新しい事業を立ち上げるといったことを期待している。例えば、今宇田学部長がおっしゃった小石原焼一つ取りましても良いものを作っているにもかかわらず情報発信ができていない。このような点を学生さんに見て頂きアドバイスを頂いて、それによって豊かな村づくりができれば最高だと思う。本来ならば、宇田学部長クラスの方をコンサルタントとして雇うとなると相当な金額を要するので、このコラボレーションは良いご縁だった。

 

――この『プロジェクトT』の科目は、2月に最終のプレゼンがあるということですが、澁谷村長、どんな案が出てくるのか楽しみですね。

 

澁谷氏:非常に大きな期待をしているが、2月が必ずしも結論じゃなくてもいいと思っている。そしてもっと時間を掛けていただき、そして練って練り上げて、この村の活性化に繋がれば良いと思う。もう一つは、村の人達の目線を上げるきっかけになればと思っている。「やればできるんだ」という気持ちに如何にさせるかも大きな宿題だと思っている。もっともっと皆が井戸の中の蛙ではなく幅広い世界観を持っていけば、必ずや明るい豊かな村づくりができると思っている。

 

宇田氏:まずここで成功したい。成功するのが第一。半年かかるか、1年かかるか、2年かかるかわからないが、結論が出るまで継続的にやっていく。それから、オンラインで知恵を出し合って解決策を導いてくというプロセス自体は、実はもっと適用されても良いのではないかと思っている。今日ここにご参加の方々も是非、もっと世の中と繋がってほしい。そして広い視野で考えなければならない時には、今回の例を参考にして頂きたいと思う。網走から参加している学生は、今度自分達の所でやりたいって言っている。このような意味で拡がりが出てくる可能性も大いにあるのがオンラインの醍醐味だと思う。

 

――あらゆるバックグラウンド、そしてあらゆる経験を持っている人達が集まるオンラインだからこそできる、地方創生について語っていただきました。ありがとうございました。

 

 

東峰村について

福岡県の中央部の東端に位置し、大分県日田市と隣接。平成17年に旧小石原村と旧宝珠山村が日本で一番小さな合併(当時)をし、東峰村が誕生。総面積51.97平方キロのうち山林原野が約86%以上の四方を山に囲まれた中山間地であり、豊かな清流と緑を有し、夏にはホタルが飛び交う自然溢れる美しい景観を誇る。また、伝統工芸である小石原焼、高取焼をはじめ、国の重要文化財に指定されている岩屋神社、日本棚田百選に指定された竹地区の棚田、樹齢600年ともいわれる行者杉など自然、歴史、文化と地域固有の資源を多く保有している。人口は、2,321人(平成278月末時点)と福岡県で一番少ない過疎の村であり、少子高齢化と言った人口減少問題を喫緊の課題として定住人口の増加に取り組んでいる。

 

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