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2015/8/21

稼ぐ人の武器「プロフェッショナルシンキング」(前篇)

イベントレポート

稼ぐ人の武器「プロフェッショナルシンキング」(前編)

ビジネス・ブレークスルー大学( BBT 大学)は、 BBT 大学公式書籍『プロフェッショナルシンキング未来を見通す思考力』の発売を記念したイベント、『稼ぐ人の武器となる「プロフェッショナルシンキング」』を 2015 年 8 月 6 日に開催いたしました。

当日は、教育改革実践家の藤原和博氏をお招きして、これからの「稼ぐ力の鍵」について講演いただいたほか、 BBT 大学経営学部長の宇田左近教授、第一期卒業生の中西佑樹さんと佐々木あやさんにもプレゼンいただき、最後には 4 名でのパネルセッションを行いました。以下は当日のレポートとなります。

藤原和博氏講演:「稼ぐ力の鍵とは?」 20 ~ 30 代ビジネスパーソンの人生戦略

●日本で働く人たちの時給は 800 円から 80000 円。その差は 100 倍も!

稼ぎの本質に迫るには、まず「日本の時給問題」を考える必要がある。年収を総労働時間で割った「時給」を把握している人はどれほどいるだろうか?是非一度、自分の時給を算出してもらいたい。多くのサラリーマンの仕事を時給換算すると概ね 3000 ~ 5000 円に収まってくる。稼ぎを上げる、とはこの時給をいかに上げるか、ということに他ならない。

時給 10,000 円以上になると、何らかのエキスパートであるといえる。例えば、家一軒丸ごと建てられるような大工の棟梁、ランドスケープのデザインまでわかる庭師などはここに入るだろう。さらにある程度成功している弁護士なら時給 30,000 円くらい、有名なシニア・コンサルタントなら時給 80,000 円ほどにもなる。時給とは無縁の起業家やスターを除けば、このあたりが最も高い時給であると言える。時給が最も低いコンビニ等のバイトの時給 800 円との差は 100 倍にもなるが、 100 倍も差がつく理由を考えたい。なぜなら、その鍵が何かがわかれば、どうしたら稼ぎが増えるかがわかるようになるからだ。

●鍵は「希少性」。ポケモンのカードゲームで例えると「レアカード」になること

100 倍の格差、その鍵は「希少性」である。時給が安い仕事は、例えばファーストフード店でのアルバイトなど、マニュアルがあれば誰でもできる種類の仕事である。雇用する側からすれば、いつでも他の人に取り換え可能なのである。需給関係にもよるが、取り換え可能な仕事は世界のレベルの中で最も低いランクに位置づけられる。時給があがっていくにつれ、「かけがえのない仕事」になっていく。そして最高クラスの時給をもらうのは、「××さんでないとダメ」と指名されるような人である。言葉を換えれば、時給が上がるほど、「希少性」も上がっていくのだ。「希少性」は需給関係と深く関係しているので、需要が多くて供給が少ない分野であれば時給が上がる。また、需要がそれほどなくてもその地域に一人しかいないなど供給が絶対的に少なければ必ず稼ぐことができる、と考えることができるのである。

「希少性」とは、ポケモンのカードゲームで言えば「レアカード」である。非常に価値があり、実際に高値で売ることができる。小中学生には「君たち自身をレアカード化することが大事。レアカード化しないと稼げる大人になれない」と説明することが多いが、「自身をレアカード化」することが稼ぐ力を身に付ける鍵なのだ。

●コツは「かけ算」。多くの人が既に「 100 人に 1 人」の人材になっているはず

自分を「レアカード化」するコツは、「かけ算で 100 万人に 1 人の希少性のある人材を目指す」のが良い。もしあなたが「 100 万人に 1 人の希少性のある人材」になれば、年収にして 1 千万から 1 億くらいは稼げるようになる。その「 1/100 万の人材」になるために利用するのが「かけ算」なのである。

どんな仕事でも 10,000 時間やり続ければ仕事内容をマスターすることができ、その分野において「 100 人に 1 人」くらいの水準にはなる。 10,000 時間というのは決して長すぎる時間ではない。 1 日 3 時間毎日取り組めば 10 年、 1 日 6 時間毎日取り組めば 5 年で達成できる。社会人の多くは、こうして 1 つの仕事をマスターしているのだ。 30 代の人だったら、おそらく多くの人が既に何等かの分野で「 1/100 の人材」になっているだろう。どんな分野でも構わないので、 20 代から 30 代のうちに最初の軸を決めて 10,000 時間やり遂げ、まずその分野で「 1/100 の人材」になることが自身を「レアカード化」するためのはじめの一歩だ。

●最初の軸とは違う分野で「 1/100 の人材」を目指し、「 1/10,000 の人材」になる

問題はこの次だ。最初の軸で「 1/100 の人材」になったら、次は別の分野の仕事をマスターしよう。この「別の分野」というのは最初にマスターした仕事に近い分野、例えば経理をマスターした後は財務など、元の経験が活かせるもので良い。 2 つ目の軸をマスターすると、この時点で「 1/100 × 1/100 」で「 10,000 人に 1 人の人材」になれる。ポイントは最初の軸とは違う分野に乗り出すということだ。初めに決めた分野で「 1/10,000 の人材」になることを目指すと、 9,900 人くらいは競争に敗れて屍になってしまう。それよりは、別の分野に踏み出し、そこでも「 1/100 の人材」になってかけ算をするという感覚がとても大切だ。

例えば私の場合は、リクルート流の営業・プレゼンを 10,000 時間、その後異動になりリクルート流のマネジメントで 10,000 時間を経験、ここで「 1/10,000 の人材」となったのだ。

2 つの分野をマスターした「 10,000 人に 1 人の人材」になることをまず目指してほしい。 2 つの分野を掛け合わせたわかりやすい例として、「アロマセラピスト」、「ネイルアーティスト」などが挙げられる。 20 年前、「アロマ」をしている人も「セラピー」をしている人も多くいたが、「アロマセラピスト」はいなかった。「アロマ」と「セラピー」の両方で「 100 人に 1 人」なった人が、「アロマ×セラピー」というかけ算をして最初に「アロマセラピスト」を名乗り、協会や検定を作り大きな利益を出したのだ。「ネイルアーティスト」も原理は同じである。どういうふうにかけ算をするか、というのも重要なポイントになってくるのだ。

● 3 つ目の軸に踏み出し、オリンピックのメダリスト級の希少性を手に入れる

私はリクルートの営業、マネジメントの2つの分野で「 1/10,000 の人材」になった後、 40 歳の時に会社を辞めて独立した。もし、リクルートを辞めずにそのままリクルート流の営業とマネジメントの「 1/10,000 の人材」で居続けたら、自分の商品価値はどんどん減っていたと考えている。なぜかというと、その二つのかけ算で勝負してくる若い人たちが、後からどんどん出てくるからである。そのため、 47 歳のときにもう一つの分野で 100 人に 1 人になるべく、周囲の反対を押し切り、今まで立っていた場所から遠くに一歩踏み出した。リクルートで獲得した技術を、まったくリクルート流ではない非営利の世界、公立の学校の校長という立場で試したらどうなるか、ということにかけたのだ。

結果、 169 名しかいなかった生徒が 450 名にまで増え、 23 校中 21 位くらいだった成績が 1 位になるなど、かなりの実績を収めることができた。さらにこの校長という仕事も約 10,000 時間続け、この分野でも 100 人に 1 人の人材になったのだ。

結果、 3 つの分野でそれぞれ 1/100 の人材になったことで、 1/100 × 1/100 × 1/100 = 1/100 万の人材になり、公教育の分野でマネジメントを語らせたら NO.1 という希少性のある存在になることができた。

1/100 万というのはオリンピックのメダリスト級もの希少性(ちなみにノーベル賞級は 1/1,000 万)に相当する。 1 つの分野でこの希少性に達するのは極めて大変だが、 3 つの分野でかけ算すれば、誰でも絶対に同様の希少性を持てるのだ。

但し、 3 つ目はどんな分野でもいいというわけではない。 1 つ目 2 つ目とは全く異なる分野で遠くに踏み出す事が大切になる。なぜかというと、ビジネスにおける自由度を確保したまま稼げるようになるからだ。

左右の軸足と次に踏み出す 1 歩の 3 点で描く三角形を「クレジット(信任の総量)」と呼ぶことにする。「クレジット(信任)」とは感情的な共感と理性的な信頼の関数であり、政治家で言えば票そのもの、アメリカで「クレジット」と言えば大学の「単位」を指す。ビジネスにおける「クレジット」とは、その人の「稼げる限界値」であり、これをどれくらい蓄積しておけるかが大切だ。

3 歩目を出来るだけ遠くに踏み出すことで、描ける三角形はより大きくなる。これはすなわち「クレジット」の総量が大きくなることを意味する。ビジネスにおける「クレジット」は「稼げる限界値」であるため、これが多ければ多いほど稼ぐ力があるということになるのだ。まず、この三角形を大きくするためにどこに 3 歩目を踏み出すかを考えることが重要だ。

そして、次に大切なのは、蓄積した「クレジット」の使い方だ。例えばここに 1 億円分の「クレジット」があるとする。その 1 億円全てを年収として得ようとすると、休みもなく働かないといけないなど、肉体的にも精神的にも非常に辛い状況になる。逆に 1 億円分の「クレジット」があるが、現金として受け取るのは 3000 万円のみとする。そうすると 7000 万円分くらいのゆとりが生まれるということになるが、これがビジネスにおける「自由」である。十分な「クレジット」があれば、時間や場所に拘束されず自由に行動する自由度を確保しながら稼げるようになる。

右足、左足の軸を定め、「 1/10,000 の人材」になったら、思い切って遠くに 3 歩目を踏み出すこと、これが 1/100 万の稼げる人材になる秘訣なのだ。

宇田左近氏講演:稼ぐ人の武器「プロフェッショナルシンキング」

●「希少性」のある人材を生み出す教育とは。答えが無い世界で生き抜く

従来の「希少性」と、これからの「希少性」では意味するところが変わってくるのではないかと考えている。

今までは「答えのある」ことが前提であった。そういった「答えのある世界」では、「既にどこかにある正解を見つける」ことが最も大切だった。それをいかにうまく見つけるかということが、常に求められてきたと言える。答えはもともとあって、それを見つけるという努力を組織全員で行っているわけなので、経験の多い上司や先輩の意見の方が正解にあたる確率が高い。そのため、年齢や経験に基づいた上下関係が成立しやすくなり、年少者は基本的に年長者の指示に従うという図式になりがちだった。今までの経緯や前例をすぐに共有できるような人たちが集まった方が、効率的に問題が解決できるという考えに基づき、同質な人たちが集まっている組織が多く存在している。この価値観のもとでは、人を判断する基準として所属組織や肩書き、入社年次がとても大切になってくる。「答えのある世界」では、自分たちより進んでいるものを模倣する、もしくは過去の事例を学ぶことで答えが得られるということが前提となっているのだ。

既存の大学はこの、「答えのある世界」を想定し、偏差値という人工の物差しで同様の人間の集め、同じ指導要領に基づいた教科書を使って勉強をしている。これによって出来上がるのは同質の人間であり、上司の指示や他者との違いにばかり意識が向かうような人材が産まれてしまうのである。

一方で 21 世紀のビジネスの世界は「答えの無い世界」であり、いかに自分で問題を解決するかがポイントになってくる。 BBT 大学は「教えない大学」とうたっているが、その理由は「答えの無い世界」を前提にしているからだ。「答えの無い世界」の中では、ひとりひとり自らが考え、答えを作り出すことが重要になってくる。

多くの人が「答えのある世界」だと考えている現代の世界において、「答えの無い世界」の存在を想定することができれば、それだけで既に「希少性」が生まれていると言うことができるかもしれない。

組織のために働くのではなく、クライアントなど外の人ために働くという視点も大切だ。クライアントに与える利益というのがビジネスにおける価値の本質であり、与えた利益の大きさによってビジネスパーソンとしてのその人の価値が決まるのである。また、「課題の前では皆平等」という考え方もとても大切だ。誰も答えがわからない状況では、上下関係は全く機能しない。「答えの無い世界」では、上司自身も答えがわからないということが前提となる。そのため、上司の指示に盲従せず、「何故」と問うことがとても大切になってくるのだ。上司が今までの経験をもとに出す指示をうのみにすることで、組織全体が方向を誤ってしまう可能性もあるのだ。

ただ考えるだけでなく、考える視点を出来るだけ広く持つ事も重要だ。同質の人間が集まると答えが一つの方向に硬直しがちだが、どの視点に答えがあるかどうかは分からない。多くの試行錯誤を通して「多様性が産み出す集団 IQ 」を得る事が大切なのである。そのためには、論理的な思考力や対話力に加え、人から与えられた物差しではなく、自らが設定した到達目標などが必要になってくる。

「答えのある世界」を前提にしている既存の大学とは異なり、これからは「答えの無い世界」になるという前提の下、「答えの無い世界」で求められる姿勢や考え方を学生自らが学びとれる機会を提供しようと考えているのが BBT 大学なのである。

そんな BBT 大学からは、どのような人材が輩出されているのか。第一期卒業生 2 名にフォーカスを当てて、紹介する。

  世界に飛び込んで活躍している第一期卒業生プレゼン紹介

●ビリギャルではなく。。。俺はビリ親父だ!!

中西佑樹氏(株式会社 EN Link 代表取締役、 Brighture.Inc 創業者)

現在はセブ島で Brighture English Academy を設立して 2 ヶ月で、元 Apple シニアマネージャーの松井博氏と共同事業を行っている。高校卒業後しばらくはフリーター等をした後、不動産会社に就職した。当時は「学歴 0 」、「海外渡航歴 0 」、「英語力 0 」という、「海外での起業」には程遠い状態であったが、その後経営に興味を持って BBT 大学に入学。その経験が不動産会社での昇格にも繋がった。この頃から英語学習やセブ島への海外留学などを行い、セブ島の語学学校の運営上の問題に気づき、自分でも出来ると意識するようになった事が英語学校の設立につながった。

BBT 大学への入学がきっかけで海外に興味を持つようになった。そして、共同創業者の松井氏とも BBT 大学の仲間の紹介で出会った。 2014 年は、自分が行動することで変わるということを実感した 1 年だった。今までどうだったかは全く関係なく、何かをやろうと決めて、それに向かって継続して努力することがいかに大切かを痛感した。夢は「 HERO になること」。自分がロールモデルとなって、周りの人に勇気をあげたいと言う気持ちが強い。

●「広島」、「演劇」、「旅」。楽しそうと思えることを実行する

佐々木あや氏( JIN -G (Vietnam) Inc. )

現在は組織人事戦略コンサルティング等を行う株式会社 JIN -G に入社し、同社ベトナム法人立ち上げの為に単身で渡航した。中高一貫校で演劇部に所属し、大学時代に劇団を起ち上げ、今も演劇を続ける。広島で「舞台芸術制作室無色透明」で制作も行っている。旅が好きで、 BBT 大学の通信制で講義を受けながら世界各国・日本各地を回っていた。スロベニアに住む BBT 大学の同級生も会いに行くなど、在学中に 25 か国、 6 大陸を訪れた。

初めは一人で始めたベトナムに駐在だったが、現在はベトナム人スタッフを雇用したりしながら仕事を回している。現在は新たなプロジェクト Learn-G を立ち上げ、「学びのあるラウンジ」を作るために奮闘している。

将来的には、結婚もしたいと思っている。どんな人を好きになってもいいように、自分自身が稼げる力を身に付けたい。また、いつか広島に劇場を作って、「芸術」、「ビジネス」、「コミュニティ」の 3 つを融合したビジネスをしていきたいと思っている。

演劇にせよベトナム赴任にせよ「楽しそうと思える事を実行する」のを意識しているという。シンプルに考えること、わくわくするかどうかを基準に判断すること、が自分のモットー。そして、全部全力でやる、ということを大切にしている。

イベントレポート・後篇(公開動画付き) は こちら からご覧ください。

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