飛行機を飛ばしている人がいるんだ!で、覚醒した私。
兵庫県生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学)国際文化学科卒。大学3年終了後に休学し、アメリカで小型自家用操縦士免許を取得、帰国後復学卒業。航空大学校へ。卒業後会社の訓練を終え2009年より副操縦士として旅客機のパイロット。二人のお子さんとご主人と大阪在住。
やりたいことに、一直線。
母であり、副操縦士であり、BBTの学生でもある。次の目標は、機長になること。「飛行機を飛ばしたかった」。少年少女のような夢を、ハタチに抱き、見事実現。女性の機長は、同じ会社に2人しか、いないそうだ。
ある日突然、「ヒコーキ乗り」になりたい、と思った。
外国語の大学時代、そろそろ就職という時になって、海外で活躍する仕事や、航空業界のCAさんに憧れました。バイクの免許とか、クルマの免許を取っている時に、たまたま飛行機に乗ったら、「こんな大きな飛行機を飛ばすなんてすごい!私も飛ばしてみたい」と急に思ったのが正直な動機です。子どもが「パイロットになりたーい」という駄々をこねる状態と同じです(笑)。
やりたいと思ったら一目散、一途な性格の私は可能性を調べ尽くし、「まだ受験資格があるかも!」と思ったら、まっしぐら。通っていた大学を休学して、アメリカで小型自家用操縦士取得、再度復学してから航空大学校に合格。合格者の中で女子は私一人だけでした(笑)。当時、「GOOD LUCK!!」というテレビドラマが人気でしたから、競争率も高かったので、本当に幸運でした。
晴れてANAのパイロットに。
2006年度に入社して、地上研修と訓練を経て、2009年に旅客機パイロットとしてデビュー。確か、初フライトは大阪〜仙台だったかな?あれ、どこだったかな? キャプテンの顔以外、なにも覚えていません(笑)。相当、緊張していたかもしれません。
初めは、ボーイング737という飛行機で国内は稚内から石垣、中国、インドムンバイまで行きました。今はボーイング787へ移行し、国際線中心。担当路線は中国、インド、東南アジア、ヨーロッパへ広がりました。今後は北米、メキシコ、オセアニア路線も乗務していく予定です。
大きな影響を受けているのは、母と息子たち。
いまの私があるのは、母と息子たちのおかげかもしれません。母が強烈なキャラクターの持ち主で。50歳過ぎて、バックパッカーで世界一周をした人なんです。さらに、帰ってきたら、次はJICAのシニアボランティアで2年ほどウルグアイに行ってしまうし。70歳を前にして、いまはバングラディッシュに学校を作って運営しているんです。
家族を残してちょっと飛び回り過ぎな部分はありますが、このパワーには圧倒されるし、影響されているのは事実です、認めたくないですが(笑)。実家は兵庫の田舎ですが、母の考えで、しばしば外国人を受け入れるホストファミリーをしていて、異文化に触れる機会の多い環境で育ちました。
また、2人の子どもたちにも影響を受けています。6歳と4歳の男の子2人ですが、彼らの可能性は無限じゃないですか? 何にだってなれる。毎日、確実に育っている。そのエネルギーを間近で見ていると、うらやましく「私も、まだまだ何にだってなれるはず」と思い始めました。
産休後も、仕事に復帰して、再び飛行機を操縦できて、妻や母親業もできて、とっても嬉しい日々が続いていたのですけど。これがずっと続くことが「私の幸せ」なのか?と考えるようになりました。仕事は楽しいけれど、同じ世界の人としか会えない。もっと多様な世界に触れたい、と思いはじめたのです。
このままでいいのか。子供の学び探しで出会った「第3の教育」。
ある時、子どものこれからの学校のことを調べていたら、炭谷俊樹先生が運営されている学校のことを知りました。炭谷先生がBBTの先生もされていると後で知って驚きました。神戸の六甲山にある「探究心」「好奇心」「自分の成長」を促す、“第3の教育”の学校です。そこに見学に行って、点数や評価ではなく、自分で生きていく力を養う学習に惹かれました。
これまた調べていくうちに、友人の薦めもあり、その学校の大人版はBBT大学であると知りました。完全オンラインの大学なので、私の仕事柄、ステイ先でのホテルで過ごす時間があるので、その時間を使えば、もう一度自分をしっかり見直せるかも…と考え始めました。それに子どもが寝たあとの時間も使えると思って。初めは呆れ顔の夫でしたが、結婚10周年のプレゼントで入学させてくれました!
BBTは多様な人間の集まり!
BBTに入学して面白いのは、多様な人と、物凄いスピードで繋がれるということです。いままで知らないキャリア、経験の人が年齢や性別関係なしにいるということです。しかも、みんなモチベーションや目標がとても高い!そんなところにも、もの凄く刺激を受けています。
他人が見ればパイロットだし、可愛い子どももいるし、イクメンの旦那さんもいるし(笑)、とても充実しているように見えるかもしれません。でも、「私の幸せ」は何なのか。その答えをずっと探しています。
BBTで「セルフリーダーシップ」を受講しました。「私は何者なのか」自分を掘り下げて考える機会がとても良かったです。幸せは外から与えられるものではなく、自分の内に存在するので、他人の評価や価値観に依らない、自分の軸や尺度を見つけることが大事だと学びました。エアキャンパスでディスカッションをする中で、水蒸気のようなモヤっとした考えを、水滴のような輪郭のはっきりした形にする言語化するという作業がとても為になりました。
自分がめざす機長像をつくりあげたい。
「リーダーシップ」について、あえて学ぶ機会はこれまでありませんでした。機長の仕事を補佐するだけの副操縦士ではなく、副操縦士としてのリーダーシップを執りたい。BBTで学ぶことで、副操縦士としてのリーダーシップ、機長としてのリーダーシップ、自分がめざす機長像を明確にしていきたいと思っています。
今まで5000時間近くのフライトで様々な経験をしてきました。まだまだ未熟な自分を感じていますが、3年後ぐらいには機長昇格を自信を持って目指せるよう、頑張っていきたいです。
いま斉藤徹先生の「幸せ視点のイノベーション」という授業に、ハマっています。モチベーションをどこまで維持していくか。自分のやりたいことを突き詰めたい、という気持ちに終わりはない。まだ一年生で、この先、どうなるかわかりませんが、仕事、妻、母、学生を一気通貫で楽しもうと思っています。