『正解のない時代へ適応する力とは』BBT大学の入学式で大前研一学長からのメッセージ

10/7(土)、BBT大学の2023年秋期の入学式・卒業式が開催されました。 今年も、東京の会場とオンラインを繋いだハイブリッドな卒業式となりました。国内外から多様なバックグラウンドを持つ学生を迎え、いよいよ新学期のスタートです。

BBT大学経営学部のグローバル経営学科とデジタルビジネスデザイン学科に入学した学生の平均年齢は「35.6歳」、ここ近年上昇傾向だった女性比率を超え、男性が「64%」となりました。

以下に、今回の入学式で大前研一学長が述べた祝辞の一部を要約して紹介します。

正解のない時代へ適応する力とは

我々はいよいよ、第四の波――シンギュラリティの社会に突入しています。第一の波は農業社会、第二の波は工業化社会、そして第三の波は情報化社会でした。ここまでの社会には正解があり、それを誰よりも早く見つけ、答えることに価値がありました。しかしながら現代は、正解がない時代。クラス全体で議論し、自分で正解を見つける必要がある時代です。それはすなわち、日本の教育も覚えるだけでなく、考える教育にシフトする必要があります。

21世紀の教育アプローチとは、見えないものを見る力である

北欧の教育システムでは、教師の役割が変わり、ファシリテーターとしての指導が行われています。これにより、生徒たちは答えを見つける力を養うことが重要となり、この新しいアプローチが21世紀の社会に適応した成功をもたらしています。従来の教育制度での指示待ちや正解への依存をゼロクリアし、情報を知識として覚える評論家的アプローチではなく、自分の頭で考え、情報を活用して成果を出す姿勢を大切にしましょう。

コンピューターは強力なツールであり、分かっていることを処理するのに優れていますが、構想力はコンピューターでは代替不可能な要素です。構想力は、見えないものを見る力であり、0から1を生み出す能力です。これはコンピューターの得意としない領域であり、人間による創造性と新しいアイデアの発展に不可欠なのです。

日本はゲーム、アニメ、漫画の分野で世界的に成功しており、クリエイティブな産業を牽引しています。特に、日本は料理の分野で圧倒的な成功を収めており、東京のミシュランの星の数は世界一です。日本のクリエイティブな力は、素材を見て構想し、アイデアを実現する料理人やアーティストなどから学ぶことができます。入学された皆さんには、知的創造と国際的視野を持ち、開拓者精神を発揮して世界社会に貢献してほしいと期待しています。

いよいよ今日から、新たな学びの旅が始まります。この旅で、皆さんは自分の構想力と創造力を鍛え、未来への第一歩を踏み出すことでしょう。教育は変わり続けています。そして、私たちはその変化を受け入れ、新しい時代に適応する力を身につけることが求められています。

この素晴らしい冒険に向けて、最高の幸運をお祈りしています。未来はクリエイティブな力で溢れ、皆さんがその一部となることを楽しみにしています。ご入学おめでとうございました。

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