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2025/2/28

海外駐在×学び直しの効果~3人の駐在員が語るおすすめの学び~

はじめに

海外駐在員として活躍する中堅社会人にとって、現地でのマネジメント経験は貴重な財産です。しかし、帰任後のキャリアに対する不安や、さらなるスキルアップの必要性を感じることも多いのではないでしょうか?

この記事では、海外駐在員として働きながら学び直しを実践したBBT大学の在学生・卒業生の声を紹介し、海外駐在経験を最大限に活かすためのヒントを探ります。

今回インタビューした方

大宮さん(40代)
2017年からアメリカに駐在。製薬会社で治験などのプロジェクト管理に携わる。
松本さん(30代)
2021年にシンガポールへ転勤し、現在はフィリピン駐在。ODAでインフラ工事に携わる。
山田さん(40代・仮名)
専門商社勤務。タイ支社の最高責任者を務める。

海外駐在のきっかけ

松本さん:
現在所属している会社では、1年に1回研修で海外に行く機会があります。その際、海外の現場の規模の大きさを目の当たりにして魅力を感じ、海外駐在を希望したところ、海外事業部への異動が叶いました。

日本とは異なり海外は工事の規模も大きく、同年代よりも一つ上の立場でプロジェクトに関わることができるので、おもしろそうだと感じました。

大宮さん:
私は入社8年目のときに上司から突然アメリカ駐在を打診されました。しかも「明日までに回答をくれ」と言われて、急いで家族会議をしたのを覚えています。海外に行った同期からも権限の広さや社長の直下で仕事をしている様子については以前から聞いていたので、興味もありました。

家族でアメリカに移住する決断をして、翌日上司に伝えたところ、数か月後に「その件は立ち消えになってしまった」と聞かされたんです(笑)

とはいえ、アメリカに行きたい気持ちにはスイッチが入ってしまったので、それから2年間、上司に海外駐在の希望を伝え続けて、2017年についにアメリカに行くことになりました。

山田さん:
私は入社してから業務改善や営業事務、調達などを経験してきました。当時のタイ支社にはこうした経験を持つ人材がいなかったことから、異動を頼まれました。

海外に行きたいという思いがもともと強くあったわけではありませんが、皆さんも言うように、日本での業務よりも権限が大きいことや、付き合う人の役職や年齢の違いから視野が広がることを楽しんでいます。

海外駐在員の悩み

松本さん:
言語の壁と文化の壁は大きかったですね。駐在前には4年かけて英語力を鍛えました。それでも、交渉の場で相手を納得させることは難しかったですし、英語で数百ページにもわたる工事の仕様書に目を通して頭に入れるのも大変でした。

特にシンガポールは契約社会で、「要件として定義されていることは絶対。例外は認めない。」くらいに厳しいです。移民が多いことも関係していると思いますが、明文化することでクオリティをコントロールする方法が徹底されています。フィリピンはその点、もう少し融通も利くので、顧客の期待に応えるために自身の裁量で判断できることも多くあります。

駐在して3か月ほど経つとだんだん相手が何を話しているかが分かってきて、思っているほど文法に厳密でなくてもいいんだと気づいたころから、話す際のストレスがなくなりました。現在フィリピンにおいては、渋滞以外には悩みはないですね(笑)。

シンガポールとフィリピンでも文化が全然違います。いろんな文化に触れて刺激を得られる環境に身をおいていることは、とても楽しいです。

大宮さん:
言語の壁は大きいですね。赴任直後、会社から「車両登録費用や税金等含めて25,000ドルの予算内で、自分で車を購入するように」と言われたんです。何件もディーラーを回って「そんな金額で売れるわけない!」「Crazy!」と言われながらも、なんとか交渉しなければならなかったときは大変でした。

MTGの際は、赴任してしばらくしてからはあらかじめ文脈が分かっているので推察できる部分も増えましたが、当初はついていくのが本当に大変でした。

しかしその分鍛えられたこともあり、帰任が決まった際には、海外での経験を存分に生かしつづけられるよう、転職も経て再度アメリカに戻ってきました。

山田さん:
私はタイ語の勉強もしましたが、業務においては通訳を介しており、ビジネスに集中することができています。バンコクには日系企業も多く、日本の食材も手に入りやすいので、生活にも大きな変化はありませんでした。それでもビジネスの中で、文化の違いを感じることはさまざまありました。

赴任直後は営業を中心に、総務や従業員の管理などありとあらゆることを経験することになったのが一番大変でした。正直、忙しすぎて、詳細の記憶があまりありません(笑)。裁量が大きくなったこともあり、仕事の仕方や規則を1から作り変えるなどの大きなルールメイクを経験することも、日本では考えられなかったと思います。

特に異文化の中で「どうしたら期待通りに働いてもらうことができるか」を考えるところから始める必要があったため、忍耐力も試されたように思います。

また、現地の他の企業でも聞かれることですが、タイでは社員旅行や社内運動会などのイベントをみんなが楽しみにしている風潮があります。コストカットの一環で社員旅行の廃止を提案した際に、従業員と意見の食い違いを経験しました。

入学のきっかけ

松本さん:
シンガポールに来て約1年後に、BBT大学に入学しました。

シンガポールでは、デザインファームの海外の建設コンサルタントと話すことが多くありました。彼らの名刺には学歴(学卒や院卒、卒業学科など)・所有資格・役職が必ず書いてあり、初対面の相手と話をする際にこれらを踏まえて誰と話をするか判断していると感じました。私は高専卒でしたので、大卒の学士を取ろうと思うきっかけになりました。

土木の学位ではなくビジネスを選んだのは、将来的に事業を興すことも視野に入れたかったからです。現地の大学は通学が必要だったため、忙しすぎて現実的な選択肢ではありませんでした。国内の他のオンライン大学も検討しましたが、BBT大学が一番自分にとってチャレンジングに感じたので、入学を決めました。

入学してからは、事業計画など専門外のことをたくさん考える点で大変なこともたくさんあります。しかし同時に、自分の可能性に気づけるのは楽しいとも感じています。

大宮さん:
私もBBTに入学したのは赴任して1年後くらいでした。もともとは英語をオンラインで学べるサービスを探していて「PEGL」の説明会に参加しました。その際にひょんなことから英語以外にもリーダーシップやIT、ビジネスについても関心があるという話をしたところ、BBT大学を勧めてもらいました。

最終学歴は大学院でしたが、BBT大学には学びたい内容があったので学位は気にせず入学を決めました。2年次編入だったので、3年で卒業することもできたのですが、私費で学ぶならとことん学びたいと思ったので、在籍年限の6年間みっちり講義を取りました。講義内容も幅広く、面白いものが多いので楽しんで続けられました。

普段のライブ講義の様子

山田さん:
私がBBT大学に入学したのは2023年の春でした。当時は赴任6年目で帰任を予定していたものの、後任の方の都合もあり任期が延びました。

あまり長く日本を離れると日本の様変わりについていけなくなるという話は、駐在経験者などからよく聞いていました。大前研一氏の「日本の論点」を毎年読んでいたほか、リスキリングにも関心を寄せていましたため、新しい知識を取りに自主的に動くチャンスと思い、ITや英語が学べるBBT大学への入学を決めました。

駐在中に学んでよかったこと

松本さん:
英語は、駐在期間に学んでよかったと思います。BBT大学では実際の企業の中での実践を想定したテーマが多く、中でも「オフィシャルレターの書き方」は役に立っています。

日本ではあまり見かけませんが、下請会社や従業員宛に業務に関する通達を出すときには必ずディレクターのサイン付きの「オフィシャルレター」が必要です。内容は、工事現場での作業時間に関する注意事項や勤務態度の改善など多岐にわたり、頻繁に作成します。

語学は特に、使わないとあっという間に忘れていくので、実践で使う環境にいる間に学ぶことに価値があると思います。

大宮さん:
講義内容とは関係ないのですが、東南アジアでビジネスをされている先生の講義の中で、「英語はきれいじゃなくていい。とにかく言いたいことを言い続けろ!」といわれたときに「それでいいじゃないか!」と吹っ切れられたことは大きかったです。

スキルと同じくらいマインドセットも大事なんだと気づかされました。

山田さん:
当時私の通訳を担当していた社員が、他の社員のマネジメントも担当していたのですが、年上の人との関係性などに苦戦していた時期がありました。改めて自分の目標などを見出すきっかけになればと、タイ語で「セルフリーダーシップ」について学べる研修を探して、受講を勧めました。BBT大学入学直後に受講した「セルフリーダーシップ」がまさに、自分を見つめ直すいいきっかけとなった経験からです。この引き出しが増えていたことは、ラッキーだったと思います。

自分の過去を振り返ったり、自分に向き合う機会を持つことで、自分の伸びしろを認識するのもいいなと思いました。特に年を重ねてからはそうした機会はあまりありません。学友にこれまでの経験を話して「変わった経歴だね」と言われてはじめて「自分のことって案外わかっていないものなんだ」と感じたりもしました。

BBTでの学びは業務に生かせてる?

松本さん:
入学当初に受けた「オンライン学習入門」の講義では心理的安全性の話があって、これを機に部下との関係性づくりは大事にしています。

短くても、毎日2人で話す機会を欠かさず作ることで、報告を自然と上げてもらえたり、冗談を言いあえるフラットな関係性を築けていると思います。

大宮さん:
私は「組織論基礎」を受けたときに、グループにはベンチャー企業の社長や会計士、コンサルタントなどの社会人のほか、海外に行くための資金を貯めている最中の学生もいました。私のいる業界は学歴もおおよそ同じ人たちが多く、考えの傾向も似ている人が多いので、年齢も業界も住んでいる場所も全く違う人とのディスカッションは、視野を広げてくれたように思います。

ちなみに、その当時同じグループだった専業学生が1年前くらいにニュージャージーまで会いに来てくれたので、現地を案内しました。

ニュージャージーで再会した際の写真

松本さん:
「グローバル経済と経営」では、事業計画や成長戦略について考えを述べる必要があるのですが、だんだん考え方の基礎がつかめてきてからはおもしろいです。学び始めた頃には見えなかったものが見えてくる感覚です。今なら経営者と話す際にも、自分なりの意見を言えるように思います。

同時に、将来の事業のことも解像度が上がってリスクも見えてくる分、より真剣に考えなくてはと思います。

それから「財務会計」もおもしろかったですね。会社のお金の使い方について知ったり、さまざまな資料からビジネスモデルや経営状況を探ったりできるのは新鮮でした。普段の仕事の中でも。自部門の販管費などを気にするようになりました。シンガポール、フィリピン、タイでの数字の違いなどを見比べてみて、疑問を持つこともできるようになりました。今後プロジェクトディレクターなどのキャリアに進むときにも、こうした考えは役に立つと思います。

山田さん:
成長戦略や企業倫理などの答えのない問いについて考えを深める科目も楽しいですが、すぐに試して効果が実感できるような科目は特に自分に合っていると感じています。

これまでで一番役に立ったのは、「チャートで考える技術」です。「旅行の目的地と旅程を決める」といった身近なテーマに沿ってグラフの使い方や情報のまとめ方を考察するのですが、とにかくスライドのわかりやすさに衝撃を受けました。習ったテクニックを使って、業務のスライドも全て作り変えました。棒グラフを横にするか縦にするかだけでも、全然見え方が違うんです。

会社のあらゆる定量データをまとめて報告する機会が多い分、満足いかずに「どうしたらもっとわかりやすく伝えられるだろう」と考えた経験もあったので、特に学びが自分事化しました。今ではデータが見やすくなっただけでなく、説得力が増しているのも感じます。

同様に「マーケティング基礎」で学んだフレームワークも、そのまま会社の市場分析などに転用できました。課題作成などでCanvaなどを使うことにも慣れました。

私の業界は「鋳造」という2000年以上続く技術に携わっていることもあり、新しいITツールの情報などが自然と入ってくることは稀です。社内での製品勉強会を担当したときにCanvaで作ったプレゼンテーション資料を使ったところ、とても良い評判をもらいました。新しいものに目を向けるきっかけを社内に作ることができたようで、嬉しく思っています。

大宮さん:
「組織変革のファシリテーション」で知ったツールやファシリテーションのルールなどは実際に会議で使ってみたりもしました。会議の目的を自分が明確に意識するだけでも、会議の質が変わったと感じられます。オンライン環境や英語が母語でない人がいる場合は特に、相手に自分から働きかけないと意見を引き出しにくいこともあります。当事者意識を持ってもらうためにどう振る舞うのがいいかも、意識するようになりました。

併せて、後輩のプレゼン資料作成などにおいても「相手にどんなアクションを取ってほしいのか」などを意識させるようになりました。

山田さん:
BBT大学には私たちと同じように海外に住んでいる学生も多く、AirCampusでのディスカッションでそのグローバルさを感じることはよくあります。「グローバルリーダーと教養」という講義では、さまざまなトピックについて自身のなじみのある異文化などを例に挙げてディスカッションをする機会もあるのですが、ドイツやロシア、ケイマン諸島など、さまざまな地域の文化に触れることができます。また、新興国でのビジネスを考えている人からインタビューを受ける機会などもあります。

松本さん:
シンガポールにはBBT大学院の方もいたようでした。「グローバルアクティブスタディ」という科目では希望者がシンガポールの日本企業などを視察する機会もあり、その際のツアーに合流したときにはグローバルな学習環境だなと感じました。

グローバルアクティブスタディの集合写真

まとめ:海外駐在経験を自分のものにするために

今回インタビューした3名の海外駐在員の方々から、駐在経験と学び直しについて、リアルなお話を伺うことができました。

海外駐在では、言語や文化の壁に直面しながらも、より大きな裁量と責任を持って業務に取り組める環境があります。学び直しを掛け合わせることで、そこでの経験をより深い知見へと昇華させることが、グローバルに活躍できる人材として成長することにつながります。

海外駐在はキャリアの転換点となる貴重な機会です。あなたはどのように過ごしますか。

在学生・卒業生の話を聞いてみませんか

BBT大学では幅広い年齢・バックグラウンドの学生が「キャリアを変えたい」「人生を変えたい」と入学してくださいます。学びにハングリーな学生と刺激し合いたい方や、ご自身のセカンドキャリアをもっと楽しくしたいと考えている人はぜひ、一度お気軽に説明会や個別相談会にお越しください。

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この記事の執筆者

ビジネス・ブレークスルー大学

BBT編集部
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